側火山

側火山：複成火山の側面に現れる火山の活動

側火山（そくかざん）とは、大きな火山（複成火山）の主火口から離れた場所で噴火活動によって形成された火山のことを指します。別名、寄生火山とも呼ばれますが、近年では側火山という呼び方がより適切だとされています。

側火山の形成メカニズムは、マグマの貫入様式と密接に関連しています。特に玄武岩質マグマの場合、地下深部から上昇したマグマは、主火道から板状に側方に広がり、火山体内部を貫入します。そして、地表に達した際に、この板状の割れ目に沿って火口列が形成されることが多く見られます。

多くの側火山は、一度の噴火活動で形成される単成火山であり、大きな山体を伴うことは少ないのが特徴です。山体を伴わない爆裂火口や割れ目火口なども、側火山の範疇に含まれます。これらの火口は、マグマの直接的な噴出や、水蒸気爆発などによって形成されます。

側火山の規模は様々で、小さな火砕丘から、比較的規模の大きなスコリア丘、溶岩ドームなどを形成する場合もあります。噴火様式も多様で、比較的穏やかな溶岩流によるものから、激しい爆発的な噴火によるものまで様々です。

日本の側火山の例

日本には多くの側火山が存在し、それぞれの火山活動の歴史を物語っています。以下に、代表的な例を挙げ、それぞれの火山の特徴を簡単に説明します。

北海道

有珠山: ドンコロ山、昭和新山、金比羅山火口群、西山西麓火口群など、複数の側火山が確認されています。有珠山は活火山として知られ、近年も活発な活動を見せています。これらの側火山は、有珠山の活動の活発さを示す重要な証拠となっています。

本州

富士山: 宝永山、大室山、長尾山（貞観大噴火）、宝永火口、双子山など、多くの側火山が富士山周辺に存在します。特に宝永山は、宝永大噴火によって形成された大規模な側火山として知られています。これらの側火山は、富士山の長期にわたる火山活動の過程を示しています。
浅間山: 離山、小浅間山など、浅間山周辺にもいくつかの側火山が確認されています。浅間山は、現在も活発な火山活動を示す火山の一つであり、側火山の形成もその活動の一環として捉えることができます。
大山: 孝霊山、鍋山、鍔抜山、鈑戸山、豪円山、烏ヶ山など、大山周辺にも多くの側火山が存在します。これらの側火山は、大山が過去に経験した大規模な火山活動を物語っています。

九州

* 桜島: 湯之平、春田山、権現山、鍋山、引ノ平など、桜島には多くの側火山が点在しています。桜島は、現在も活発な火山活動を示す火山の一つであり、頻繁な噴火によって新しい側火山が形成される可能性もあります。これらの側火山は、桜島の活動の活発さを示す重要な指標となっています。

まとめ

側火山は、複成火山の活動を知る上で重要な手がかりとなります。その形成メカニズムや形態、規模などは、マグマの性質や、地下構造、噴火様式など様々な要因に影響されます。日本の各地にある側火山を研究することで、火山の活動履歴や、将来の噴火予測に繋がる知見が得られると期待されています。 今後の研究によって、側火山に関する理解がさらに深まることが期待されます。

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