宮城野原公園総合運動場

宮城野原公園総合運動場：歴史と変遷、そして未来

宮城野原公園総合運動場は、宮城県仙台市宮城野区に位置する広大な運動公園です。プロ野球チーム東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である楽天モバイルパーク宮城（旧：宮城球場）や、仙台市陸上競技場（弘進ゴム アスリートパーク仙台）など、多くのスポーツ施設が集積しています。これらの施設は、地域住民の健康増進やスポーツ振興に大きく貢献しているだけでなく、全国規模のスポーツイベントの開催にも活用されています。

歴史の重み：練兵場から国民体育大会会場へ

現在の公園が位置する宮城野原は、戦前には練兵場として利用されていました。しかし、その歴史はそれだけではありません。不定期ながら、競馬場や児童生徒の運動会会場、さらには航空機の離着陸場としても使用されていました。明治21年には、文部大臣森有礼の歓迎を目的とした連合運動会が開催され、約7000人の仙台の児童生徒が参加したことは、仙台における学校連合運動会の始まりとなりました。大正2年には、白戸栄之助操縦による飛行機「鳳二世号」が宮城野原で初飛行を果たし、仙台航空史の幕開けとなりました。戦後の進駐軍時代には、ゴミ捨て場として利用されたという歴史もあります。

昭和24年に宮城県によって起工された宮城野原公園総合運動場は、昭和27年に完成。完成と同時に開催された第7回国民体育大会のメイン会場となりました。その後も、平成2年には全国高等学校総合体育大会（インターハイ）が開催されるなど、長年にわたり、地域を代表するスポーツ施設として機能してきました。昭和48年から52年にかけては、ロッテオリオンズ（現千葉ロッテマリーンズ）の暫定的な本拠地としても利用され、数多くのプロ野球公式戦も開催されました。

施設の老朽化と都市公園法：課題と克服

完成から四半世紀以上が経過すると、施設の老朽化が深刻な問題となりました。宮城球場ではプロ野球公式戦の開催数が減少し、アマチュア公式戦の開催にも支障をきたすようになりました。宮城陸上競技場も、照明設備の不足などから多くの課題を抱えていました。さらに、都市公園法の制約も大きな問題となりました。同法では、公園内の運動施設の面積を総面積の50%未満と定めており、昭和31年以前から52%を超える面積を占めていた宮城野原公園総合運動場は、施設の増改築が困難な状況に陥っていました。

平成9年には、仙台市泉区に仙台スタジアム（現・ユアテックスタジアム仙台）が完成し、ブランメル仙台（現ベガルタ仙台）は本拠地を移転しました。また、平成13年には宮城県総合運動公園（グランディ・21）内に宮城スタジアム（現・ひとめぼれスタジアム宮城）が完成し、第56回国民体育大会の主会場となりました。これにより、宮城陸上競技場は日本陸上競技連盟の種別が格下げされることとなります。

プロ野球再編と新たな展開：楽天イーグルスの誕生

平成16年のプロ野球再編問題が、宮城野原公園総合運動場の新たな転換期となりました。オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの統合に伴い、新規球団参入が決定。楽天が宮城球場を本拠地とする方針を明らかにしたことにより、宮城県は県立都市公園条例を改正。補助グラウンドを削除することで、宮城球場の拡張が可能となりました。補助グラウンド跡地にはテニスコートが建設され、従来のテニスコート跡地には屋内練習施設が整備されました。

その後、宮城球場の運営管理は東北楽天ゴールデンイーグルスに委託され、大規模な改修と増築が行われました。

仙台市への移管と未来への展望

平成21年には、財政上の理由から宮城陸上競技場が仙台市に譲渡され、「仙台市陸上競技場」（現・弘進ゴム アスリートパーク仙台）となりました。平成26年には、宮城自転車競技場が廃止され、跡地は国立病院機構仙台医療センターの移転用地となりました。

現在、仙台貨物ターミナル駅の移転計画が進められており、跡地を公園に組み込み、広域防災拠点とする計画も検討されています。

宮城野原公園総合運動場は、その歴史と変遷を経て、現在も仙台市民のスポーツ・レクリエーション活動の拠点として、そして、プロ野球や各種スポーツイベントの開催地として、重要な役割を果たし続けています。未来に向けて、さらなる発展が期待されます。

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