専修学校

専修学校とは

専修学校（せんしゅうがっこう）は、学校教育法第124条により規定された日本の教育機関で、職業人や実生活に必要なスキルを育成するために組織的な教育を行っています。修業年限は1年以上であり、主に専門課程、高等課程、一般課程の3つの課程が用意されています。これらの課程は学生の職業訓練や教養の向上を目的とし、多様な教育が提供されています。

課程の種類

1. 専門課程: これは職業上の専門知識や技能を修得することに重きを置いています。また、専門課程を提供する学校は「専門学校」として知られ、2,817校が存在し、約66万人の学生が在籍しています。

2. 高等課程: これは中学校修了後、さらなる学びを提供することを目指します。中学校や特別支援学校の卒業生が対象で、424校が設置され、約38,000人程度の学生が通っています。

3. 一般課程: 職業教育や実生活に必要なスキルを育成するための教育を提供し、もっとも幅広い入学資格を持ち、157校で約29,000人の学生が在籍しています。

専修学校と大学の違い

専修学校は大学と異なり、職業に直結した実践的な教育が重視されています。授業は講義が約50%、実習が40%、企業研修が約10%といった割合で構成され、実務経験が豊富な教員による教育が受けられます。このため、専修学校から卒業した学生は、即戦力としてのスキルを持って企業に入職することが期待されています。

学生生活

専修学校内の生活は、原則として4月に入学し、3月に卒業する形態が一般的です。服装は各校によって異なり、制服が求められる場合もあります。授業科目には必修が多く設定され、欠席や遅刻に対する厳しい評価があります。また、実習や研修が重視されるため、現場での体験を積む機会が豊富に用意されています。

専修学校の進学状況

専修学校の進学率は、少子化などの影響により低下傾向にあるものの、高校卒業者の進学率は依然として15%から20%の範囲で推移しています。特に新潟県の進学率が高い一方、東京都や広島県では低迷しており、地域ごとの違いが見られます。また、卒業生の就職率も高く、専門課程卒業生の94.7%が就職していることから、その実務能力が企業から評価されていることが示されています。

設置基準と未来

専修学校は設置基準が定められており、修業年限は1年以上、授業時間は昼間で800時間以上、夜間で450時間以上とされています。教育の柔軟性を持つ専修学校は、実社会のニーズに応じたカリキュラムを設計できるため、職業教育の重要な役割を果たしています。

近年、専修学校の一条校化が議論されており、その実現に向けた動きが進んでいます。これには、職業教育のさらなる融和と質の向上が期待されていますが、同時に様々な課題も残されています。専門職大学の設立が提案される中、今後の専修学校の在り方は多くの関係者によって議論され、検討が進められる必要があります。

もう一度検索