将棋日本シリーズ

将棋日本シリーズ：早指し棋戦とこども大会

将棋日本シリーズは、日本将棋連盟と開催地新聞社が共催し、JTが特別協賛する将棋大会です。1980年に創設され、選抜された12名の棋士が全国各地で公開対局を行う棋戦として知られています。

大会の特徴

早指し棋戦: 持ち時間が少ないため、スピーディーな展開が魅力です。
全国各地での開催: 全国各地の都市で公開対局が行われ、多くの将棋ファンが観戦に訪れます。
こども大会の実施: プロの公式戦と並行して、子ども向けの将棋大会も開催されています。

2012年度からは、グループ会社のテーブルマークも協賛に加わり、大会名が「将棋日本シリーズ」に変更。プロ公式戦は「JTプロ公式戦」、こども大会は「テーブルマークこども大会」として、それぞれ開催されています。

プロ公式戦

出場棋士

以下の選抜基準により選ばれた12名の棋士が、トーナメント形式で対局を行います。

1. 前回優勝者
2. 当年2月末日時点でのタイトル保持者
3. 獲得賞金ランキング上位者

対局ルール

持ち時間は10分。それを使い切ると、1手30秒未満で指し進めます。考慮時間は1分単位で5回与えられます。対局中には、観客向けの「次の一手」クイズのために封じ手が行われ、休憩時間が設けられます。

千日手や持将棋になった場合は、考慮時間が残っていても、両者ともに持ち時間・考慮時間なしで、1手30秒未満で指し直しとなります。

賞金・副賞

優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円です。また、トーナメントで1勝するごとに、JTグループ製品1年分が勝者に贈られます。

ファンサービス

各対局後には、勝利棋士が会場出口で来場者を見送り、握手をするのが恒例でしたが、2022年現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、握手は行われずお見送りのみとなっています。両対局者は和装で対局に臨みます。

2021年度からは、抽選で選ばれた一般の来場者が振り駒を行うファンサービスも開始されました。

インターネット配信は、連盟公式アプリやABEMAで行われており、無料で閲覧可能です。ABEMA制作の動画は、後日YouTubeのJT公式アカウントで公開されます。

こども大会

2001年度から創設された大会で、未就学児を含む小学校3年生までの低学年の部と、小学校4年生～6年生対象の高学年の部の2つに分かれています。

持ち時間はなく、1手30秒未満で指し進めます。まずブロック対局を行い、各ブロックの勝者がトーナメントに進出。各部門2名の代表を決定します。ブロック対局で敗れた選手も、予選終了後に自由対局や、プロ・奨励会員との指導対局などを楽しむことができます。

トーナメントを勝ち上がった各部門2名ずつは、プロ公式戦の前座試合として、プロと同じ対局会場・盤駒を使い、それぞれのクラスの優勝をかけて対局します。プロ同様に棋譜読み上げや記録係、大盤解説が付き、和服（男子は紋付はかま、女子は振袖着物）が貸し出されるなど、プロの雰囲気を体験できます。

歴史

1981年（第1回）：大山康晴の発案で創設。
2001年（第22回）：3都市で「こども将棋大会」を実施。
2002年（第23回）：こども大会をすべての開催地で実施。
2006年（第27回）：優先出場資格の選考基準を変更。
2007年（第28回）：優勝賞金を増額。
2012年（第33回）：大会名称を変更。

エピソード

大山康晴の生涯最期の勝利（第13回）
無冠のC級棋士が3連覇（第14回 - 第16回）：郷田真隆
災害などで異例の中止（第27回・32回・37回・45回）
決勝戦が同門対決（第29回）：森下卓 vs 深浦康市
新型インフルエンザ感染の疑いによる出場停止（第30回）：渡辺明
ギネス世界記録認定（第33回）：テーブルマークこども大会
本棋戦史上初の持将棋が成立（第36回）：渡辺明 vs 行方尚史
竜王戦挑戦者決定戦勝者の連続出場がストップ（第39回）
こども大会からプロ公式戦へ（第39回・第40回・第42回・第45回）
新型コロナウイルスの影響（第41回・第42回）
こども大会優勝経験者同士による初の決勝戦（第43回）：斎藤慎太郎 vs 藤井聡太
同一カード対局で再び千日手（第42回・第45回）：丸山忠久 vs 広瀬章人

関連情報

将棋日本シリーズ JTプロ公式戦（日本将棋連盟）
* 将棋日本シリーズ（JTウェブサイト）

将棋日本シリーズは、プロ棋士の熱戦と、子どもたちの夢が交差する、将棋界を代表するイベントです。

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