小京都

小京都（しょうきょうと）とは

小京都は、日本各地に存在する、古い町並みや風情が京都に似た地域の愛称です。これらの地区は、明治時代以降の都市開発や災害、また戦争による空襲を逃れ、江戸時代以前の姿を今に残す貴重な場所となっています。特に、景観が京都に似ている地域が小京都として知られるようになりました。

起源と歴史

小京都の名称の起源には、室町幕府のあった京都を模倣して町をつくり上げた、各地の守護大名の影響が大きいとされています。このような「都うつし」と呼ばれる現象から、風情や町並みに共通点を持つ地域が各地に出現し、これが現在の小京都という概念につながっています。

全国京都会議

小京都と呼ばれる地域の自治体が集まり結成された団体が「全国京都会議」です。この集まりでは、古い町並みに限らず京都との歴史的つながりがある自治体も加盟しています。逆に、会議に参加していなくても観光宣伝の目的で自らを小京都と称する地域も多く存在します。

全国京都会議は1985年に成立し、農道と観光振興を計るため、加盟基準として次の3つの条件が定められています。
1. 京都に似た自然と景観
2. 京都との歴史的なつながり
3. 伝統的な産業や芸能が存在すること

加盟手続きは総会での承認が必要であり、退会は事務局への連絡で正式となります。2021年4月時点で、全国京都会議には40の自治体が加盟。かつては賑わいを見せた1999年度には56市町が加盟していましたが、時間と共に参加自治体数は変動していきました。

小京都の例

さまざまな地域で「小京都」と称される場所があります。たとえば、秋田県の角館町は「羽州の小京都」として知られ、宮城県の岩出山町は「奥州の小京都」と称されています。また、中部地方の加茂市は「北越の小京都」と呼ばれ、静岡県の森町は「遠州の小京都」として親しまれています。

関東地方の茨城県古河市では「坂東の小京都」として知られ、関西地方では三重県の上野市が「伊賀の小京都」と称され、特色ある地域が広がっています。

過去の加盟自治体

さらに、全国京都会議に過去に加盟していた自治体も多くあり、これには北海道の松前町や青森県の弘前市などが含まれます。近年では、財政難や地域の特性を前面に押し出す自治体も多く、退会するケースが目立っています。小京都としてのブランドに対してそれぞれの地域の独自性を重視する動きが見られます。

結論

小京都は、地域の歴史や文化を反映した特別な場所として観光資源となっており、日本各地でその魅力が奏でられています。これらの地域は、京都の影響を受けつつも、それぞれ独自の風情を持った町として多くの人々に愛されています。

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