小山裕史

小山裕史: ボディビルダーからフィットネスのパイオニアへ

小山裕史（こやま やすし）は、1956年11月14日に鳥取県で生まれた、日本のフィットネス界において著名な存在である。元ボディビルダーだけでなく、フィットネスコーチとしても活躍し、神経筋生理学の専門家として博士号を取得している。

経歴と業績

彼は鳥取県立鳥取東高等学校を経て、大阪経済大学を卒業した後、身体の理論を探求し始めた。1981年には鳥取市で自身のトレーニングジム「ワールドウィング」を開業。さらに、1985年には『トレーニング革命』という書籍を発表し、その後も1994年に『新訂版新トレーニング革命』を出版した。

小山氏はボディビル競技においても輝かしい成績を収めており、1982年と1984年にJBBF日本ボディビル選手権大会での優勝経験がある。さらには、アジアボディビル選手権大会でも90kg以下級で優勝を果たし、1983年にはIFBB世界ボディビル選手権でライトヘビー級の5位に入賞した。

1980年代には日本のボディビル界の「三強」として知られる存在に成長し、彼の名声は広がりを見せた。

初動負荷理論

1994年に彼が提唱した『初動負荷理論』は、トレーニング手法に新たな視点をもたらした。初めは「動作の最初に最も強い負荷をかけるウエイトトレーニング」と定義されていたが、1995年にはその定義が見直された。この理論はトレーニングの効率性を高めることを目的とし、多くのアスリートに影響を与えている。

小山氏は多くのトップアスリートを指導しており、特に野球選手に対するトレーニング指導が知られている。イチローや山本昌、岩隈久志など数多くの著名な選手たちがその指導を受けている。

教育と講師活動

彼は早稲田大学の人間科学研究科博士課程を修了し、2011年に「初動負荷トレーニング」に関する運動生理学的な研究で博士号を取得した。さらに、鳥取大学医学部の客員教授や高崎健康福祉大学の保健医療学部理学療法学科教授としても豊富な経験を持つ。

彼はまた、スポーツシューズ「ビモロ」を開発する際、元ボディビルの選手である宗茂・宗猛兄弟のアドバイスを受けたことがきっかけとなり、トレーニング中の故障を防ぐための機能性を追求した結果、革新的なシューズを生み出した。2023年には、「ビモロ」のレーシングシューズ版として「ビモロレーシング RR Morizo Selection」を開発したこともあり、限定販売された。

著書とメディア出演

小山氏は数多くの著書があり、その中には『トレーニング革命』や『新トレーニング革命』などの有名な作品が含まれる。また、1989年にはNHKのドキュメンタリー番組に出演し、アジア選手権での復活優勝を遂げる過程が描かれた。

小山裕史は、トレーニング理論や指導方法の新たな枠組みを提供し、数多くのアスリートたちに影響を与え続けている。彼の活動は今なお進行中であり、今後の彼の成果にも注目が集まっている。

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