小川一成

小川 一成（おがわ いっせい、1947年9月20日 - ）は、日本の政治家。

茨城県北相馬郡守谷町（現在の守谷市）に生まれ、地元の守谷中学校、茨城県立水海道第一高等学校を経て、明治学院大学経済学部を卒業した。大学卒業後、25歳で小川交通（有）を設立し、実業家としてのキャリアをスタートさせた。

その後、地域政治に関わるようになり、1988年に守谷町議会議員選挙で初当選。2期4年間、地域住民の代表として活動した。1994年には茨城県議会議員選挙で初当選を果たし、以降、8期にわたって県議会議員を務め、長きにわたり県政に携わっている。

県議会では、農林水産委員会、土木委員会、議会運営委員会など、主要な委員会の委員長を歴任し、幅広い分野で政策立案や議会運営に貢献した。2007年には第101代茨城県議会副議長に就任し、議会運営の中枢に加わった。さらに、2015年12月には第107代茨城県議会議長という県政の要職に就き、議会の活性化や円滑な運営にリーダーシップを発揮した。

政治活動と並行して、県内の経済界や社会貢献活動にも深く関与している。茨城県商工会連合会の会長や茨城産業会議の議長を務め、県内経済の振興や産業振興に尽力した。また、茨城県監査委員として、県の行政や財政の健全性確保にも関わった。

主な政策提言と実現

県議会議員としての活動を通じて、小川氏は数多くの地域課題の解決や県政の課題改善に向けた提言を行い、その実現に力を尽くしてきた。

危険ドラッグ規制条例の制定: 薬物乱用防止のため、県と県民の責務を明確にし、知事が指定薬物を規制できる新たな条例の制定を議員提出議案として主導した。
屋外広告物規制条例の改正強化: 違法広告物対策のため、屋外広告物条例の罰則強化を議員提案で行い、これは茨城県政史上初の議員提案による政策条例制定となった。
国道294号線乙子踏切の立体化: 激しい交通渋滞と安全性の課題があった乙子踏切の立体化の必要性を早期から訴え、大規模な立体交差事業として実現に至る過程で貢献した。
南守谷地区交番の設置: 地域住民の安全確保のため、守谷市南部に新たな交番を設置するよう提言し、南守谷交番の開所を実現させた。
青年海外協力隊経験者の教員採用優遇: 国際感覚豊かな人材育成のため、青年海外協力隊活動経験者を対象とした教員採用試験の一部免除制度導入を提言し、実現に繋げた。
茨城県立医療大学大学院の設置: 高度医療専門職育成のため、県立医療大学に大学院を設置することの必要性を提言し、その実現に貢献した。
* 守谷市大木流作地区の集団移転: 水害リスクを抱える酪農用地の安全確保のため、集団移転の早期実現を提言し、国への働きかけを通じて実現に結び付けた。

社会貢献と国際交流

国際交流活動にも熱心であり、会長を務める守谷市国際交流協会や、茨城県青年海外協力隊を育てる会がJICA理事長表彰を受けるなど、その功績は外部からも高く評価されている。議長在任中には、世界湖沼会議、全国都道府県議会議長会総会、在南米茨城県人会記念式典などの重要な国際会議や行事に参加し、茨城県の代表として交流を深めた。また、天皇皇后両陛下とベルギー国王夫妻の県内訪問時には、県議会議長として歓迎の挨拶を述べる重責も担った。

学び直しへの意欲も高く、2009年には明治大学ガバナンス研究科に入学し、公共政策を学び、2011年に公共政策修士（専門職）の学位を取得している。

地域活動としては、守谷市商工会会長、守谷市国際交流協会会長、ボーイスカウト守谷第一団団委員長、茨城県青年海外協力隊を育てる会会長など、多くの団体の要職を務め、多角的な視点から地域社会の発展に貢献している。

小川一成氏は、守谷町の町議時代から現在に至るまで、約40年にわたり政治家として活動し、茨城県議会での要職や多岐にわたる政策実現を通じて、県民生活の向上と地域及び県政の発展に尽力してきた人物である。

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