小森コーポレーション

株式会社小森コーポレーション

株式会社小森コーポレーションは、印刷機械や印刷関連機器の製造・販売を主たる事業とする、日本を代表する機械メーカーの一つです。「KOMORI」ブランドとして広く認知されており、特に枚葉オフセット印刷機において、世界の印刷業界で重要な地位を占めています。その特徴として、日本国内で唯一、紙幣を印刷するための専用機械を手がけている点が挙げられます。また、製造業の枠を超え、実業団スポーツチームとしてニューイヤー駅伝に継続的に出場していることでも知られています。

同社は、印刷機械の製造に特化したメーカーとして発展してきました。かつては、ドイツのハイデルベルグ・ジャパンが主要な競争相手でした。しかし、技術革新に力を入れ、2009年には画期的なH-UV印刷機を発表。これにより、短納期かつ高品質な印刷を実現する技術として注目を集め、一般枚葉印刷機市場において、より一層の存在感を高めています。

沿革

小森コーポレーションの歴史は、1923年に東京都墨田区で「小森機械製作所」として創業したことから始まります。創業間もない1925年には石版ロール印刷機を、1928年には四六半裁手差オフセット印刷機を開発するなど、早い段階から印刷技術の発展に貢献しました。1933年には小森印刷機械製作所に商号を変更。第二次世界大戦後の1946年には、現在の組織形態につながる株式会社小森印刷機械製作所が設立され、大阪にも出張所を開設して国内営業体制を強化しました。

戦後復興期を経て、1957年には同社初の4色機となる四六全判オフセット印刷機「UM-4C」を開発。そして、1961年には日本の印刷局へ紙幣印刷用ドライオフセット印刷機を納入するという、国内唯一の紙幣印刷機メーカーとしての歩みをスタートさせました。事業拡大に伴い、1967年には茨城県取手市に取手工場を竣工し、生産能力を増強。1968年には「小森印刷スクール」を開校し、印刷技術者の育成にも努めました。1972年には開発した印刷機「スプリント」が日刊工業新聞主催の機械工業デザイン賞部門で通産大臣賞を受賞するなど、その技術力が高く評価されます。

1976年には小森印刷機械株式会社に商号を変更。1978年には千葉県野田市に関宿工場を竣工し、複数工場体制を確立します。グローバル展開も積極的に行い、1982年にコモリ・アメリカ・コーポレーションを設立したのを皮切りに、欧州など各地に海外拠点を設けていきました。1983年に東京証券取引所市場第2部に上場し、翌1984年には第1部へ指定替えとなるなど、企業規模を拡大。1986年には山形、取手、関宿の3工場体制が整い、製品ラインナップに応じた専門的な生産体制を構築しました。

バブル経済期の1990年には、現在の社名である株式会社小森コーポレーションに商号を変更。1991年には新本社ビルが竣工しました。この時期にも技術開発は進み、1997年にはコモリKHSシステムを開発。また、紙幣印刷技術を生かし、1996年にはインド中央銀行、1999年にはナイジェリア造幣公社へ紙幣製造一貫プラントを納入するなど、国際的な貢献も果たしています。2001年には東芝機械（現・芝浦機械）からオフセット輪転印刷機事業を譲受し、事業領域を拡大しました。

2000年代に入り、2005年にはつくば工場を完成させ、取手工場の機能を移転・統合。2009年には関宿プラントもつくばプラントへ統合し、生産拠点を集約化しました。同時に、技術開発とデモンストレーションの拠点として「小森グラフィックテクノロジーセンター」を設立。この年に発表されたH-UV印刷機は、その後の主力製品の一つとなります。近年では、2014年に東海ホールディングス株式会社（現・株式会社セリア）を子会社化するなど、事業ポートフォリオの拡充も図っています。

ネットワークとグループ会社

小森コーポレーションは、国内に本社、テクノロジーセンター、サービス拠点、工場（つくばプラント、グローバルパーツセンター）などを持ち、日本全国をカバーする営業・サービス網を構築しています。海外にも積極的に進出し、アメリカ、ヨーロッパ（イギリス、オランダ、フランス、イタリアなど）、アジア（中国、台湾、シンガポール、マレーシア）など、世界各地に販売・サービス拠点やグループ会社を展開し、グローバルな事業活動を行っています。

グループ会社としては、印刷機械の製造を担う株式会社小森マシナリーや、エンジニアリング関連の株式会社小森エンジニアリング、そして国内外の販売・サービス会社など、多岐にわたる関連会社が事業を支えています。

まとめ

株式会社小森コーポレーションは、創業から100年を超える歴史を持つ、印刷機械分野における世界的リーディングカンパニーの一つです。枚葉オフセット印刷機や紙幣印刷機など、独自の技術力に裏打ちされた製品を世界に供給し、印刷文化の発展に貢献しています。グローバルなネットワークと継続的な技術革新により、変化の激しい印刷市場において、その存在感を確立し続けています。

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