山口理

山口理（やまぐち さとし）は、1953年東京都足立区に生まれた作家、児童文学作家です。日本児童文学者協会と日本ペンクラブの会員として活動しています。

法政大学文学部在学中には、母校の高等学校で現代国語の代用教員を務めました。卒業後は千葉県の小学校教員となり、教師生活をスタートさせます。特に道徳教育の研究に力を入れ、千葉大学委託研究員として研究に従事。全国大会での発表や、文部省（当時）の教材作成委員、学習指導要領の編纂委員としても活動しました。日本道徳基礎教育学会の常任理事として、筑波大学を中心に研究活動を行うなど、道徳教育の分野で大きな貢献をしています。

道徳教育の研究の一環として道徳資料を創作する中で、各方面から執筆の依頼が増加。教育雑誌での創作連載を続けたことがきっかけとなり、出版社から長編小説の執筆を勧められます。そして処女作となる『おーい、日本海!』（文研出版）を出版。同作品は複数の県の課題図書に選定され、続く第2作『ぼくの一輪車は雲の上』（文研出版）も全国青少年読書感想文コンクールの課題図書に選ばれるなど、高い評価を得ました。これらの成功を機に、作家としての活動が本格化していきます。

当初は自身の体験に基づいたアウトドア系の作品が中心でしたが、その後はファンタジー、ノンフィクション、SFなど、幅広いジャンルに挑戦しています。しばらくの間は教員と作家の二足の草鞋を履いていましたが、2003年に作家活動に専念することを決意。以降は、創作、ホラー、落語など、シリーズ物の執筆に力を注いでいます。

また、国語関係・言葉関係の著書も多数手がけており、偕成社の「国語おもしろ発見クラブ」全10巻は、日本語のあらゆるジャンルを網羅したシリーズとして特に注目を集めました。長年にわたり、文学講座「山口塾」を主催し、プロの作家を育成するなど、後進の指導にも力を入れています。校歌作詞や講演活動など、その活動は多岐にわたっています。

主な著書としては、『おーい、日本海!』、『ぼくの一輪車は雲の上』、『あたしが桃太郎になった日』、『ゴジラ誕生物語』、心霊スポットへようこそシリーズ、国語おもしろ発見クラブシリーズなどがあります。

山口理は、児童文学の世界に貢献するだけでなく、道徳教育の発展や、日本語教育の普及にも尽力した、多才な作家と言えるでしょう。

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