山本文緒

山本 文緒 (やまもと ふみお)

山本文緒（1962年11月13日 - 2021年10月13日）は、日本の著名な女性小説家です。彼女は神奈川県横浜市に生まれ、本名は大村暁美であり、神奈川大学の経済学部を卒業しました。

経歴

大学時代は落語研究会に所属し、高座名は「則巻家あられ」として活動していました。卒業後は証券関連の財団法人に勤め、横浜から通勤する日々が続きました。その合間を縫って、副業として少女小説の執筆を始めました。1987年に『プレミアム・プールの日々』で初めてコバルト・ノベル大賞の佳作を受賞し、少女小説家としてデビューを果たしました。山本は「少女小説というジャンルの作家が少なかったため、当時は受賞できたのだろうと思う」と後に語っています。彼女のペンネーム「山本」は友人の名前に由来し、「文緒」は槇村さとるの短編の主人公名から取られました。「中性さを出したかった」という意図もありました。

1992年、彼女は『パイナップルの彼方』から一般文芸に移行し、タイトル決定の自由も得ました。1999年には『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞を受賞し、さらに2000年には『プラナリア』で第124回直木賞を受賞しました。

私生活面では、2002年に再婚。2003年にはうつ病を発症し、6年間の闘病生活を送ります。その後、エッセイ『再婚生活』で文壇に復帰しました。2011年には長野県軽井沢町に移住し、2021年には7年ぶりに小説『自転しながら公転する』を発表し、第27回島清恋愛文学賞および第16回中央公論文芸賞を受賞しました。

2021年春に体調を崩し、ステージ4bの膵臓がんと診断され、余命4か月の宣告を受けました。最期は自宅で療養をしながら、2021年10月13日に58歳で亡くなりました。彼女の死後、『小説新潮』2021年12月号には、山本と親交のあった作家たちによる追悼エッセイが掲載されました。さらに、彼女の闘病日記『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』が2022年10月に刊行されました。

著作

山本文緒の作品は多岐にわたり、以下にその一部を示します。少女向けのジュニア小説として『きらきら星をあげよう』や『まぶしくて見えない』などがあり、一般文芸では『パイナップルの彼方』や『恋愛中毒』などが有名です。またエッセイにも力を入れ、『再婚生活』や『無人島のふたり 』など、彼女の思索や体験に基づく作品が多く存在します。

彼女の作品は、時には甘美でありながらも、人間の深い感情を描写し、多くの読者に愛され続けています。彼女の活動や考えは、日本の文学シーンに大いに影響を与えました。多くの読者が彼女の作品を通じて、共感やインスピレーションを受け、大きなな影響を受けています。

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