山梨県立富士湧水の里水族館

山梨県立富士湧水の里水族館

山梨県南都留郡忍野村に位置する山梨県立富士湧水の里水族館は、日本で唯一の淡水魚専門の水族館です。この水族館は標高934メートルの富士山の麓にあるため、その立地はとても特別です。内陸県である山梨で水族館が設立された目的の一つは、内水面漁業の振興にあります。そのため、県内で養殖される魚の展示が多く、特にマス類が豊富です。

この水族館は、2001年に県内初の水族館として開業し、その後も多くの淡水魚や水生生物を観察できる貴重な場所となりました。館内の設計は、魚の生態を観察するための工夫が施されており、特に階段の周りを囲む二重回遊水槽は独特です。ここでは、内側にはマスの稚魚といった小型魚が泳ぎ、外側ではニジマスやイトウといった大きな魚を観察できます。

水族館の主な特徴として、「川の魚水槽」が挙げられます。この水槽は、山梨県の地形に合わせて、河川の源流から中流までの環境が再現されています。館内には水中カメラを操作する端末もあり、観覧者が水中の様子を楽しむことができる工夫がなされています。また、2階には「おいしい水族館」や寿司屋の展示がある「すし処湧水」など、地域の水産業をテーマにしたコーナーもあります。

外部の池では、ニジマスやチョウザメが泳ぐ姿が見られ、ガラス越しに観察可能な工夫がされています。これにより、訪れた人々はベンチに座りながら魚たちの活動を静かに楽しむことができます。指定管理者の株式会社桔梗屋は、1990年代から自社の工場見学を提供しており、その経験を活かして水族館の運営に貢献しています。

開業からの歴史を見てみると、2009年からは桔梗屋が指定管理者となり、引き続き管理・運営を行っています。2012年には、山梨県西湖で再発見されたクニマスの稚魚が展示され、一時期限定で訪れる人々に新しい発見を提供しました。2014年には成魚の展示も行われ、多くの来館者を魅了しました。

水族館の利用状況については、開館時間は午前9時から午後6時までで、毎週火曜日が休館日となっています。特定の期間には営業し、入館料金もリーズナブルに設定されています。特に、県民の日には入館が無料になるため、多くの人々に利用されています。

交通アクセスも良好で、東富士五湖道路の山中湖インターチェンジから車で5分、さらに中央自動車道河口湖インターチェンジからは20分程で到着可能です。また、富士急行線の富士山駅からはバスを利用してアクセスできます。


このように、山梨県立富士湧水の里水族館は淡水魚に特化した大規模な展示施設であり、地域の生態系や水産業を学ぶ貴重な場となっています。訪れれば、自然に囲まれた中で様々な魚たちに出会い、楽しい体験ができることでしょう。

もう一度検索