岩木山神社

岩木山神社について

岩木山神社（いわきやまじんじゃ）は、青森県弘前市百沢の岩木山南東麓に位置する神社で、津軽地域の守護神として古くから信仰を集めてきました。別名として「お岩木さま」や「お山」、「奥日光」とも称され、旧社格は国幣小社であり、津軽国の一宮とされています。

概要

岩木山神社は、農漁業の神として、地域の人々の祖霊を鎮める場所として親しまれてきました。特に神社の参道は岩木山の登山道の一つとなっており、奥宮は山頂近くに位置しております。神社の社殿は、神仏習合の時代の影響を残しており、鎌倉時代以降の密教寺院の構造が見られます。また、桃山時代の鮮やかな彫刻が施され、日光の東照宮を思わせる外観から「奥日光」と呼ばれるようになりました。

祭神

岩木山神社には、顕国魂神、大国主神、多都比姫神、宇賀能売神、大山祇神、坂上刈田麿命などが祭られており、これらを総称して岩木山大神（いわきやまおおかみ）と呼びます。

歴史

創建時期については諸説あり、最も古いものでは宝亀11年（780年）に山頂に社殿が造営されたとされています。延暦19年（800年）には坂上田村麻呂が山頂に社殿を再建し、彼の父も合祀されたと伝えられます。1091年に神宣が発せられ、下居宮を百沢地区に遷座し、これが現在の岩木山神社の基盤となりました。

1589年の岩木山の噴火によって本殿は焼失しましたが、慶長8年（1603年）に再建が始まりました。江戸時代には津軽藩の総鎮守とされましたが、明治の神仏分離により寺院が廃止され、明治6年には国幣小社として認定されました。

境内

社務所は弘化2年（1845年）に建立され、藩主の参詣に対応するための構造となっています。以下の社殿は江戸時代初期から元禄時代にかけてのもので、重要文化財に指定されています。特に本殿は元禄7年（1694年）に建立され、華やかな彫刻と装飾が施されています。拝殿も同様に、歴史的な価値を有しており、津軽信義の代に完成しました。

祭事

岩木山神社では、七日堂神賑祭やお山参詣など、地域に根ざした多くの祭りが行われます。これらの祭りは、農業の豊作を祈願し、地域の人々が集まって行う重要な儀式です。特にお山参詣は、旧暦の7月末日に行われ、多くの人々が奥宮を目指して山を登ります。

文化財

岩木山神社の敷地内にある様々な建物が国の重要文化財に指定されており、楼門や拝殿、本殿などがその代表です。また、民俗文化財としても多くの行事が評価されています。特に七日堂祭や登拝行事は、地域の文化的遺産として大切にされています。

交通

岩木山神社へのアクセスは、東日本旅客鉄道の弘前駅からバスを利用することで簡単に訪れることができます。このように、岩木山神社は歴史的背景や文化財に恵まれ、多くの人々から愛されるスポットとなっています。

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