登山道

登山道：山岳における徒歩道

登山道は、山々を歩くための歩道です。車道や登山鉄道が山頂まで至る山もあれば、険しい岩場や藪を進む必要がある山もあります。登山道の多くは、徒歩での登山を目的として整備されていますが、その整備状況は場所によって大きく異なります。自然環境保護の観点から、登山道の整備は必要最小限にとどめられています。

登山道の特性

登山道は、地形や気象条件が厳しい場所に位置することが多く、長く急な傾斜を持つ場合もあります。岩場をよじ登る必要がある箇所もあるなど、難易度は様々です。整備された登山道では、石積みや階段などが設けられ、歩きやすさが考慮されています。しかし、滑りやすい場所もあるため注意が必要です。

例えば、丸太階段は安全に歩ける一方で、脚への負担が大きくなります。一方、ほとんど手付かずの道は上級者向けで、バリエーションルートと呼ばれます。ヤセ尾根など、危険度の高いルートも存在します。

登山道と似たものとして、探勝歩道があります。探勝歩道は、丘陵地や里山など、山岳地帯以外でも自然観察のために整備された道です。また、高層湿原などでは、貴重な植物を守るために木道が設置されていることもあります。安全確保のため、携帯電話の通話可能な地点には標識が設置されている場合もあります。

ヴィア・フェラータ

ヴィア・フェラータ（イタリア語で「鉄の道」）は、鉄の梯子や階段、命綱をかける場所などが整備された登山道です。高度な技術と装備を必要とするため、上級者向けのルートと言えます。

日本の登山道の管理

日本の登山道の多くは、自然発生的に形成されたもので、明確な管理者がいないことがしばしばあります。管理コストやリスクの高さから、地方自治体などによる管理が難しいのが現状です。そのため、地元の山小屋や愛好者たちが、ボランティアで修繕や維持管理を行うケースが多いです。

登山道の破損や道迷いによる遭難事故を防ぐため、国土地理院や民間企業が、登山者からの情報提供などを元に地図やアプリの整備・修正を行っています。登山者の移動経路データ（ビッグデータ）も活用されています。

著名な登山ルート

日本には多くの有名な登山ルートが存在します。富士山のお鉢巡り、北アルプスの表銀座・裏銀座・西銀座ダイヤモンドコース、小池新道、飛騨山脈の水平歩道・日電[[歩道]]、高尾山の奥高尾縦走路などが挙げられます。

登山国道

車両通行不能で歩行者のみが通行できる登山道が国道に指定されているケースもあります。このような登山国道は、地図上の表記も様々で、線で描かれている場合もあれば、破線で描かれている場合、または描かれていない場合もあります。多くの登山国道は将来的に車道として開通する予定ですが、自然保護や財政難などの理由で開通しないものもあります。かつて国道289号甲子峠は登山国道として有名でしたが、道路が開通したことで国道指定が解除されました。都道府県道や市町村道が登山道になっているケースも全国的に存在します。

ヨーロッパの登山道

ヨーロッパにも多くの有名な登山ルートがあります。モンブラン、赤い針峰群（Aiguilles Rouges）、シャモニ針峰群（Aiguilles de Chamonix）などがその代表例です。

登山道は、自然と触れ合い、山岳の魅力を満喫できる場所ですが、危険も伴います。安全な登山のために、適切な装備、計画、そして最新の情報収集が不可欠です。

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