巡査長

巡査長について

巡査長（じゅんさちょう）は、日本の警察において巡査部長の下に位置する階級であり、主に指導的な役割を担います。この階級は正式な警察の階級としては警察法62条では定められていないものの、「巡査長に関する規則」に基づいて設けられたもので、昭和42年に制定されました。そのため、巡査長は独自の階級章を持ち、報酬も巡査より高いものとなりますが、巡査の一部として扱われています。

任命の条件と役割

巡査長に任命されるためには、一定の勤務年数と優れた指導力が求められます。例えば、巡査としての勤務年数が、高校卒業者であれば6年、大学・専門学校卒者であれば2年、短期大学や専門学校卒者は4年である必要があります。また、巡査部長への昇任試験に合格したが、まだ辞令が交付されていない場合や、勤務成績が優れた巡査も対象となります。

そのため、巡査の中で一定の能力を示した者に限って巡査長として任命され、その後は巡査の指導にも携わります。巡査の中には「指導係員」としての役割も果たし、新任の巡査に対して助言を行ったり、業務の指導にあたることが求められます。

昇進のプロセス

巡査長昇任のための選考は、主にこれらの要件を満たした巡査に対して行われます。特に、任官に関する規則では、勤務成績が非常に良好であり、実務経験も豊富な候補者が優先されます。昇任試験の合格によって地位を得た場合でも、辞令を受けるに至っていない者がいることも確認されています。

その他の関連職位

巡査長は、他の公務員の階級と比較しても重要な位置を占めています。例えば、消防吏員における消防副士長や、刑務官の主任看守なども類似の職位ですが、これらは正式な階級とされています。また、入国警備官における主任警守や、自衛官の幕僚長といった職位も、各組織における指導的な立場として相応の責任を伴います。

文化的な背景

日本の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所（通称:こち亀）」の主人公である両津勘吉は、約40年間にわたって連載され、その間、彼の階級は常に「巡査長」であるという設定がなされています。このように、巡査長は日本の警察制度の枠組みの中で重要な役割を持っているといえるでしょう。

まとめ

巡査長は日本の警察内部で特別な役割を果たす階級であり、指導的な資質を求められています。また、昇任の条件など、様々な要素が巡査長の地位を確立しています。勤務成績や実務の経験を活かし、巡査を指導する立場として、多くの責任を担っています。

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