入国警備官

入国警備官について

入国警備官は、出入国在留管理庁に所属する公安職の国家公務員であり、不法入国者や不法滞在者の調査、摘発、収容、送還などを主な職務としています。彼らは、日本の入国管理政策において重要な役割を担っており、その活動は国の安全と秩序を維持するために不可欠です。

概要

入国警備官は、出入国在留管理庁の施設等機関である入国者収容所や、地方支分部局である地方出入国在留管理局に配置されています。霞が関にある出入国在留管理庁は、入国管理政策の頂点に位置する組織ですが、官職は法務事務官または検察官が中心です。

入国警備官は、基本的に入国警備官採用試験の合格者から任用されます。この試験は国家公務員III種程度の難易度とされています。入国警備官の最高位は、局次長待遇の警備監理官であり、地方入国管理局の次長や局長に昇格する場合は、入国審査官の官職に転官します。

入国審査官と入国警備官は職務が分離されているのが原則ですが、人員が少ない出張所などでは、入国警備官が「入国審査官に併任する」辞令を受け、両方の業務を兼務することがあります。ただし、併任による手当の増加はなく、給与は本来の入国警備官としての公安職俸給表に基づき支給されます。これは国家公務員法によるもので、すべての国家公務員の併任に共通する扱いとなります。ただし、超過勤務や休日出勤、出張などの手当は、業務内容に関わらず入国警備官としての給与を基に算定されます。

入国警備官の階級

入国警備官の階級は、出入国管理及び難民認定法に基づいて定められており、警備監を最高位とする7階級(内規に基づくものを含めると9階級)があります。正式な階級は、警備監、警備長、警備士長、警備士、警備士補、警守長、警守の7つです。内規により、各階級に「主任」が付く準階級が存在しますが、省令レベルでは「主任警守長たる警守長」のように冠を付けた名称が使われ、存在が確認できます。

入国警備官は、組織内で専門官制が採用されており、配置される部署に応じて、警備監理官、首席入国警備官、統括入国警備官、上席入国警備専門官、入国警備専門官といった役職呼称が与えられます。

装備

入国警備官は、出入国管理及び難民認定法に基づき、武器の携帯が認められています。通常、拳銃を装備しており、個人装備として特殊警棒や手錠なども使用します。また、集団警備を行う際には、警察機動隊と同様の防護装備（ヘルメット、プロテクター、盾、防弾・防刃ベストなど）も使用します。車両や船舶については、地方出入国在留管理局を参照してください。

その他

入国警備官は、その職務の特性上、逮捕術などの専門的な技能を習得している必要があります。彼らの活動は、不法滞在者の摘発や強制送還に止まらず、国際的な犯罪組織の取り締まりや、テロ対策など、多岐にわたる分野で活躍しています。

入国警備官は、日本の安全保障にとって重要な役割を担っており、その責任は重大です。彼らの活動がなければ、日本の国境は容易に侵入され、社会秩序が脅かされることでしょう。入国警備官は、誇りを持ってその任務を遂行し、日本の平和と安全を守るために日々尽力しています。

脚注

入国警備官 - 職業情報提供サイト

関連項目

逮捕術
* 出入国在留管理庁

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