帯広畜産大学

帯広畜産大学について

帯広畜産大学（おびひろちくさんだいがく、英語: Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine）は、北海道帯広市に所在する日本の国立大学です。この大学は、北海道の国立大学法人北海道国立大学機構が運営しており、畜産系に特化した唯一の単科大学として知られています。一般的には「畜大」（ちくだい）や「帯畜」（おびちく）と略称されています。

大学の歴史

帯広畜産大学の起源は1941年（昭和16年）に設立された帯広高等獣医学校にさかのぼります。この学校は、北海道の十勝地方という日本の主要な食料生産地に立地しており、これまで多くの専門職業人を育成してきました。特に、獣医や畜産専門家を中心に、日本の食料生産および流通に貢献してきたのです。

大学の教育方針は、少人数制を生かした「教員と学生の近い距離」での教育と、現場重視の実習中心のカリキュラムが特徴です。特に、畜産フィールド科学センター（旧附属農場）という広大な施設を利用した実践的な教育が行われています。さらに、2005年度からは国際協力機構（JICA）と連携し、国際的な教育にも力を入れています。

学部と研究

現在、帯広畜産大学には学部学生1,139人、大学院学生206人が在籍し、合計1,345人の学生が学んでいます。教員数は129人（2023年5月現在）で、専門分野に基づく多様な教育が展開されています。

学部は、畜産学部とともに共同獣医学課程があり、獣医学と畜産科学の両方を学ぶことができます。学部生は、入学時に専門分野を決めず、さまざまな基盤教育を受けた後、特定のユニットに所属して深化した学びを得る仕組みです。この柔軟な教育制度は学生の興味や関心に応じた学びを促進します。学部内の研究分野も多岐にわたり、環境生態学、食品科学、農業経済学など、幅広い分野での研究が行われています。

最近の取り組み

2020年には、上川大雪酒造との協力により、大学キャンパス内に酒蔵が開設され、日本酒製造に関する人材育成も行われています。また、大規模な研究プロジェクトや教育プログラムを通じて、農業の持続可能な発展への貢献を目指しています。特に、生命科学と食料生産に関する研究は、大学の重要なテーマの一つとなっています。

学生生活。

学生生活も活発で、部活動やサークル活動が盛んに行われています。特に、畜大牛乳の生産に関わる「うしぶ。」というサークルは、ISO22000認証を取得したフィールド科学センターで牛の搾乳を行い、その乳を利用して大学生協や地域のスーパーで販売しています。

また、大学祭や寮祭などのイベントが通年を通して開催され、学内外のコミュニティが活発に交流する場となっています。さらに、学生運動の歴史もあり、過去には講義棟や図書館が学生によってバリケードで封鎖された事件も記録されています。

総括

このように、帯広畜産大学は、農業と獣医学に精通した専門職業人を育成し、持続可能な食料生産に貢献する教育機関です。広範な研究と実践的な教育を通じて、地域社会や国際社会における重要な役割を担っています。

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