バリケード

バリケードの概要

バリケードとは、敵の侵入を遮るために設置される障害物を指し、その用途は戦争やデモなど多岐にわたります。特に市街地や狭い通りなど、侵入者の迂回が難しい場所で、その効果を最大限に発揮します。バリケードは、周囲の状況に応じてさまざまな素材を用いて築かれます。例えば、土嚢や瓦礫から、コンクリートや金属製の構造物まで、非常に幅広い種類があります。

戦車などの大型の装甲車両に対抗するため、バリケードはその設計に工夫が必要です。戦車はバリケードをふん破るのが難しいため、行動を妨げる役割も十分に果たすことが求められます。具体的な例としては、コンクリートで作られた巨大な角錐形状のものや、鉄道のレールの基部を地中に埋めて立てた壁などがあります。

また、内部での活動を阻むためにバリケードを用いる戦術を「バリケードストライキ」やその略称である「バリスト」と呼ぶことがあります。これは、特定の場所に立ち入ることを拒否し、機関の機能を麻痺させる目的で行われます。

バリケードの歴史

バリケードは、戦争や革命といった緊急事態において、防御手段として築かれることが多いです。特に、市民が戦闘に関与する際には、正規の工兵がいないために、手近な材料を用いて即席でバリケードを作ることが一般的です。

近代フランスの革命家ルイ・オーギュスト・ブランキが書いた『武装蜂起教範』では、パリでの武装暴動に際してのバリケード形成の手引が述べられており、これはその時代の貴重な指針と言えます。ナポレオン3世の治世下でのパリ改造は、防衛面でも特に重要でした。狭い路地を排除し、軍隊の移動を容易にする狙いがあったのです。

日本においても、歴史的なデモなどでバリケードが利用されました。例えば、鳥羽・伏見の戦いでは、酒樽を用いたバリケードがつくられ、「酒樽台場」と呼ばれていました。また、1970年の安保闘争において、全共闘は全国の大学でバリケードを利用し、主要な大学キャンパス全体が封鎖される事態となりました。

現代におけるバリケード

現代では、韓国やスイスといった国々が有事に備えたバリケード資材を常に備蓄しています。例えば、道路沿いにはコンクリート製の塊が用意され、有事の際には即座に道路を封鎖できるように整備されています。炭疽菌や爆薬を仕掛けられる道を跨ぐ橋などは、敵の進入を妨害するための重要な戦略的ポイントです。

近年では、自爆テロや極端な政治運動に対する防護手段として、重要施設の周囲に移動式および固定式のバリケードが多く設置されています。特に、軍事施設、大使館、官邸、皇居などでは、対策が強化されており、地域住民にも影響を与えています。バリケードは時代と共に進化し、さまざまな場面でその重要性を増し続けているのです。

参考項目

• - 鉄条網
• - コンクリートブロック
• - 逆茂木
• - チェコの針鼠
• - フォート
• - ヘスコ防壁
• - 止水板

これらの構造物は、バリケードの目的や用途を理解する上で重要な要素となります。

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