幅允孝

幅允孝：本を架け橋とする選書家・ブックディレクター

幅允孝（はば よしたか）は、1976年生まれの日本の選書家、ブックディレクター、編集者、そして執筆家です。彼は有限会社BACH（バッハ）の代表を務め、愛知県立芸術大学で非常勤講師としても教鞭を執っています。

生い立ちとキャリア

愛知県津島市で生まれた幅氏は、慶應義塾大学法学部を卒業後、青山ブックセンター六本木店で建築・デザイン書を担当しました。その後、株式会社ジェイ・アイに入社し、石川次郎氏のもとで編集のスキルを磨きました。2005年10月には独立し、選書集団・BACHを設立。BACHという社名は、自身の名前と音楽家バッハに由来します。BACHでは、選書、編集、執筆、企画、ディストリビューション、展覧会のキュレーションなど、本をツールとして多岐にわたる分野で活動を展開しています。また、彼はアーセナルFCの熱狂的なファンであることでも知られています。

主な活動内容

幅氏の活動は多岐にわたりますが、その中でも特に注目されるのは、ライブラリー制作と本の売り場ディレクションです。

ライブラリー制作

トヨタ博物館内の「CARS & BOOKS」、京都市動物園内図書館、三島市立公園 楽寿園、伊勢志摩サミット会場 志摩観光ホテルザ クラシック内リーディングルーム、ワコールスタディーホール、パナソニック株式会社「Wonder LAB Osaka」など、様々な場所にライブラリーを制作しています。これらのライブラリーは、単に本を並べるだけでなく、その場所のコンセプトや利用者に合わせた選書がなされており、空間全体を豊かにする役割を果たしています。

本の売り場ディレクション

エイチ・アイ・エス 「旅と本と珈琲と」、伊勢丹新宿店 ビューティーアポセカリー、la kagu、Brooklyn Parlor 大阪店、東急ハンズ銀座店「HANDS BOOKS」など、数多くの店舗で本の売り場をディレクションしています。これらの売り場は、本のセレクトだけでなく、陳列方法や空間デザインにも工夫が凝らされており、訪れる人に新たな本の魅力を発見させるような空間となっています。

編集・執筆活動

万城目学氏や湊かなえ氏の著書、雑誌「飛ぶ教室」の編集、BEIGE,（オンワード樫山）のシーズンカタログ、DESIGNTIDE TOKYOのオフィシャルブックレットなど、編集者としても幅広く活動しています。また、Richer、BRUTUS TRIP、Numero TOKYOなど、様々な媒体に寄稿しています。著書には、「幅書店の88冊 あとは血となれ、肉となれ」、「本なんて、読まなくったっていいのだけれど」などがあります。

キュレーション

城崎文芸館のリニューアルオープン、六本木ブックフェス、五味太郎プロジェクト「海外出版の愉しみ」、東京ミッドタウン デザインハブ 第47回企画展 「本・ことば・デザイン」展など、数多くの展覧会やイベントをキュレーションしています。これらのキュレーションでは、本の魅力を様々な形で表現し、来場者に新たな発見や感動を提供しています。

メディア出演

幅氏は、テレビ番組「情熱大陸」や「孤独のグルメ Season2」など、様々なメディアにも出演しています。これらの出演を通して、彼の活動や本の魅力が広く紹介されています。

幅允孝氏は、選書家、ブックディレクターとして、本の新たな可能性を追求し続けています。彼の活動は、本と人、人と社会をつなぎ、豊かな文化を育む上で重要な役割を果たしています。

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