平田志穂子

はじめに

平田 志穂子（ひらた しほこ）は、神奈川県出身の日本の女性シンガーソングライターです。B型。MIT Artistsに所属し、特にゲーム音楽の世界、中でもアトラスの人気RPGシリーズ「ペルソナ」の楽曲ボーカルとして広く知られています。

音楽の礎

幼少期から音楽に深く親しんできました。6歳から17歳までの長い期間、クラシックピアノに励み、16歳の時にはイタリア歌曲を学ぶ機会を得ています。また、12歳頃からはソウルミュージックに強く惹かれ、その後の音楽性に大きな影響を与えました。

本格的に音楽活動を開始したのは大学時代からです。大学の聖歌隊に所属する傍ら、バンド活動にも積極的に取り組みました。より専門的な学びを深めるため、2002年からはソウル・バード・ミュージック・スクールでゴスペルを学び始め、さらに2003年からはアン・ミュージック・スクールにてボイストレーニングとボーカル実技の研鑽を積みました。特にボーカル実技では、声楽家の山下美音子氏の指導を受けています。

歌手としての歩み

2003年に恵泉女学園大学の人文学部国際社会文化学科（現：人間社会学部国際社会学科）を卒業しました。卒業後、歌手になるという強い意志を胸に、アルバイトをしながら、音楽のレッスンやバンドの練習に多くの時間を費やす日々を送りました。

プロとしてのキャリアは、2006年に上田正樹氏のライブ「MATURE DISCO NIGHT ～Let's get on back 70's for the future～」にバックコーラスとして参加したことから始まります。

「ペルソナ」シリーズとの出会いと飛躍

彼女のキャリアにおいて特筆すべきは、ゲーム音楽の世界での活躍です。提出したデモ音源がきっかけとなり、英語の歌詞を歌いこなせることなどが評価され、2008年にアトラスから発売されたPlayStation 2用の人気ゲームソフト『ペルソナ4』の楽曲ボーカルに抜擢されたことが大きな転機となりました。

この作品で、彼女はオープニングテーマ「Pursuing My True Self」、エンディングテーマ「Never More」をはじめ、ゲーム内で流れる様々なボーカル楽曲を担当しました。その独特の歌声と楽曲が見事に融合し、『ペルソナ4』のサウンドトラックはオリコンチャートで最高5位を記録し、23週にわたってチャートインするという異例のロングヒットとなりました。

その後も、ペルソナシリーズとの関わりは深まります。2011年10月から放送されたテレビアニメ『Persona4 the ANIMATION』では、新たに制作されたオープニングテーマ「sky's the limit」、エンディングテーマ「Beauty of Destiny」など、計5曲を歌唱しました（うち1曲はfeat.川村ゆみ名義での参加）。

これ以降も、彼女は『ペルソナ4』に留まらず、関連作品を含むペルソナシリーズの楽曲に継続的に参加し、その歌声はシリーズを象徴する存在の一つとなりました。

また、『ペルソナ』関連のライブイベントにも欠かせない主要歌手の一人として出演。2013年、2015年の日本武道館公演をはじめ、東京オペラシティ、サントリーホール、横浜アリーナ、両国国技館、幕張メッセといった数々の大規模な会場で行われたライブで、作品の世界観を歌唱によって表現し、多くのシリーズファンを熱狂させてきました。

ソロアーティストとして

ゲーム音楽での活躍と並行して、シンガーソングライターとしての活動も展開しています。2015年9月には、自身初のオリジナルアルバム『The Stories of a Day』をリリース。続く2016年には初のワンマンライブとライブハウスツアーを開催し、ソロ名義での表現の場を広げました。同年12月には2ndアルバム『7:08』を発表するなど、精力的に作品を発表しています。

ゲームというフィールドで多くのリスナーにその存在を知らしめながら、ルーツであるソウルやゴスペル、そして自身の感性を融合させた楽曲を発表するシンガーソングライター、平田志穂子。そのソウルフルで情感豊かな歌声は、今後も様々な形で聴く者を惹きつけることでしょう。

もう一度検索