広島市郷土資料館

広島市郷土資料館は、広島県広島市南区宇品に位置する歴史系博物館であり、登録博物館としての役割も担っています。この博物館は、広島市域の人々の生活に深く関わる歴史をテーマとし、企画展と常設展を通じて、地域の歴史と文化を伝えています。また、教育普及活動として、様々な教室事業も積極的に展開しています。館内には図書室も併設されており、規模は大きくないながらも、民族、風俗、文化遺産、調査書など、地域研究に役立つ資料が充実しています。

歴史

広島市郷土資料館は、1985年（昭和60年）5月に開館しました。この建物は、もともと明治時代に建設された旧陸軍の施設であり、広島市への原子爆弾投下にも耐えた被爆建物です。戦後、様々な経緯を経て、その一部が資料館として整備されました。この歴史的背景からも、資料館自体が貴重な文化遺産としての価値を持っています。

展示

常設展示では、大きく分けて二つのテーマが扱われています。一つは、江戸時代以降に広島市域で発展した地場産業に関する展示です。ここでは、地域の経済や産業の歴史を学ぶことができます。もう一つは、江戸時代から明治時代以降にかけての広島、特に宇品の歴史とこの建物自体の来歴についての展示です。この展示を通じて、宇品地区が近代化の中でどのように発展してきたのかを理解することができます。

建物

資料館の建物は、1911年（明治44年）に建てられた宇品陸軍糧秣支廠缶詰工場の一部を利用しています。戦後、国が管理していたものを広島市が譲り受け、博物館として再整備しました。建物はほぼ竣工当時のまま保存されており、被爆によって曲がった鉄骨なども保存展示されています。また、建物は「旧広島陸軍糧秣支廠建物」として、1985年(昭和60年)4月22日に広島市の重要有形文化財に指定されています。これらの保存展示は、戦争の歴史と平和の重要性を伝えています。

利用案内

開館時間
午前9時から午後5時まで（入館は午後4時30分まで）

休館日
月曜日（ただし、月曜日が祝日法で定める休日の場合は、その直後の休日でない日）

入館料
大人：100円（団体料金80円）
小人：50円（団体料金30円）
※（）内は30人以上の団体料金
※小学生未満の幼児は無料

アクセス

• - JR広島駅から広島電鉄市内電車5番（広島港（宇品）行）「宇品二丁目」電停下車、西へ徒歩約300m
• - 紙屋町・八丁堀から広島電鉄市内電車1番、3番（広島港（宇品）行）「宇品二丁目」電停下車、西へ徒歩約300m
• - 無料駐車場あり

脚注

広島市郷土資料館公式サイト

関連項目

• - 流山市立博物館 - 千葉県にある博物館で、同様に糧秣出張所の資料を展示しています。
• - 広島市にある主な博物館

- 広島市江波山気象館 - 被爆建物を再利用した博物館です。
- 広島市こども文化科学館
- 広島市交通科学館

広島市郷土資料館は、地域の歴史と文化を深く理解できる貴重な場所であり、多くの人々に訪れてほしい博物館です。

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