府中市民球場

府中市民球場とは

府中市民球場は、東京都府中市に広がる府中中央公園内に位置する市立の野球場です。野球の公式戦をはじめ、様々な用途で利用されており、地域住民に親しまれています。

歴史

この地に野球場が整備されたのは、1950年（昭和25年）5月に完成した府中町営球場に遡ります。しかし、施設の老朽化が進んだため、抜本的な改修が必要とされました。その結果、旧球場の全面改築が行われ、1982年（昭和57年）7月に現在の府中市民球場として生まれ変わりました。長年にわたり地域の野球活動を支えてきた現在の施設も、時間の経過と共に老朽化が指摘されています。

こうした状況を受け、府中市が2022年に「女子野球タウン」として認定されたことへの対応も含め、施設の機能向上を目指した改修が計画されています。特に、トイレの男女別化といったユニバーサルデザインへの配慮や、利用者の快適性を高めるための改修が、2023年9月から翌年にかけて実施される予定です。

主な利用状況

府中市民球場は、多岐にわたるレベルの野球大会会場として利用されています。

かつては、社会人野球の強豪として知られた東芝府中の本拠地として重要な役割を担っていました。同チームが神奈川県川崎市の東芝野球部と統合された後も、社会人野球における利用は続いており、都市対抗野球大会やクラブチーム選手権など、全国へと繋がる重要な大会の東京都予選会場として使用されています。これは、都内の社会人野球チームにとって欠かせない存在であることを示しています。

高校野球においては、春季および秋季の都大会だけでなく、夏の全国高等学校野球選手権大会予選における会場としても利用されます。地元の西東京大会だけでなく、地理的な便から都内東部エリアからのチームも利用しやすいこともあり、東東京大会の試合が行われることもあります。多くの高校球児たちが甲子園を目指す熱戦が繰り広げられています。

大学野球でも利用実績があります。東京六大学野球の準硬式リーグ戦が開催されるほか、東都大学野球においては、レベルの高い2部リーグ戦の会場となったり、1部リーグの予備球場として使用されたりしています。

さらに、府中市民球場は国際的な舞台でも利用されています。野球オーストラリア代表が日本国内で開催される国際大会に参加する際、事前キャンプ地としてこの球場を活用しており、府中市とオーストラリア野球連盟の間で覚書が締結されています。これまでに、2018年の侍ジャパンシリーズ、2019年および2024年のプレミア12、2023年のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）、2023年のアジアプロ野球チャンピオンシップといった主要な国際大会に際して利用されており、その機能性が国際レベルでも評価されています。

施設概要

府中市民球場は、以下の施設スペックを有しています。

面積: 18,803平方メートル
両翼: 95メートル
中堅: 120メートル
内野: クレー舗装
外野: 天然芝
収容人員: 約5,000人
照明設備: 6基が設置されています。
スコアボード: 2019年に改装され、視認性の高いフルカラーLED式が導入されています。これ以前は磁気反転式でした。

交通アクセス

JR武蔵野線 北府中駅より徒歩約5分
京王線 府中駅より徒歩約7分
* 京王バス（東芝前・総合医療センターを経由する国立駅行など）「市民球場前」バス停下車、徒歩約1分

これらのアクセス手段により、都内各所からの来場が比較的容易です。

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