建築審査会

建築審査会について

建築審査会（けんちくしんさかい）は、特定行政庁に属する諮問機関であり、建築基準法に基づいて設置されています。この機関の主要な目的は、建築行政の適正な運営を促進し、地域の安全と福祉を守ることにあります。

設置の根拠と役割

建築審査会の設置根拠や役割に関しては、建築基準法第78条に詳しく記されています。この法律では、主に以下の四つの主要な役割が挙げられています。まず、特定行政庁が建築基準法に基づいて許可を出す前に、その同意の可否を審査することです。次に、特定行政庁が下した許可の判断が不許可であった場合、その決定に対する不服申し立てを裁決することが求められています。また、建築基準法の運用について特に重要な事項を調査・審議し、最後に建築基準法の運用に関して関係機関に対して助言を行う役割も担っています。

組織構成

建築審査会の組織に関しては、建築基準法第79条に基づいて定められています。この会は通常、5名以上の委員で構成されており、各分野の専門家が任命されます。具体的には、法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生、行政といった多様な分野からの専門家が選ばれます。これにより、公共の福祉に関する公正な判断が行えるような体制が整っています。委員は市町村長または都道府県知事によって任命されます。

委員に関する欠格事項

建築基準法第80条では、建築審査会の委員に対する欠格事項が規定されています。具体的には、破産手続き開始の決定を受け復権していない者や、禁錮刑以上の判決を受けた者が含まれます。また、刑の執行が終わっていない、もしくは執行猶予期間が過ぎていない者も委員としての資格を持ちません。

委員の解任条件

建築審査会の委員が解任される条件については、建築基準法第80条の2で明記されています。心身の故障により職務を執行できない場合や、職務上の義務に違反した場合、あるいは委員にふさわしくない非行があったと判定された場合には解任となります。

会長の役割

建築審査会の会長については、建築基準法第81条で次のように定義されています。会長は委員の中から互選で選出され、建築審査会を代表し、その会務を統括する役割を担います。もし会長に事故があった場合は、あらかじめ決められた者がその職務を代行します。

除斥の規定

建築審査会の委員は、自身または親族が関与する建築案件については審査に参加できないという除斥の規定があり、これは建築基準法第82条に示されています。このようにして、公平性が維持されています。

条例に関する規定

建築基準法第83条に基づき、建築審査会のより具体的な運用については地方公共団体の条例によって定めることができます。このため、地域によって建築審査会の運用が異なる場合があります。

不服申し立て

建築基準法に不服がある場合、建築審査会に不服申し立てが可能です。この手続きについては第94条に規定されています。さらに、建築審査会の決定に対して不服がある場合、国土交通大臣に対する再審査請求も認められています。これは行政不服審査法第6条に基づくものであり、法律に基づいて行われるプロセスです。

建築審査会は、制度の透明性を保ちつつ、建築行政の健全性を確保するために重要な役割を果たしている機関です。

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