徳島県立近代美術館

徳島県立近代美術館：20世紀芸術と郷土の文化が息づく空間

徳島県立近代美術館は、徳島県徳島市の文化の森総合公園に位置する美術館です。公園内の三館棟の一つとして、紫を象徴的な色として用いた建物が印象的です。

美術館の理念とコレクション

本美術館のコレクションは、大きく分けて三つの柱から構成されています。まず、20世紀における人間の姿を多角的に捉えた作品群です。社会変動や思想潮流の中で生きた人々の姿を反映した絵画や彫刻などを通して、現代社会を考えるきっかけを提供しています。

次に、徳島県ゆかりの美術作品です。地元で活躍した作家たちの作品を収集・展示することで、郷土の美術史を深く理解し、地域文化の継承に貢献しています。

そして、現代版画のコレクションです。版画という表現技法に焦点を当て、多様な表現方法や現代美術の動向を捉えた作品を展示しています。

充実した展示空間と企画展

美術館は、主に三つの展示室と屋外展示場から構成されています。1階にはギャラリーがあり、2階には主に所蔵作品展を行う展示室が複数あります。これらの展示室では、所蔵作品をテーマ別に展示したり、特定の作家に焦点を当てた特集展示を行うなど、多様な企画で来館者を楽しませています。3階には講座室やアトリエ、事務室が配置され、美術教育や創作活動の拠点としての機能も担っています。また、屋外には創造の森が広がり、自然の中で作品を鑑賞できる空間も提供しています。

アクセスと開館時間

美術館へのアクセスは、JR徳島駅からバスを利用するのが便利です。「文化の森」行きまたはバイパス経由「市原」行きバスに乗車し、「文化の森」バス停下車後、徒歩でアクセスできます。その他、牟岐線文化の森駅からの徒歩アクセスや、周辺地域からのバス路線も利用可能です。

開館時間は9時30分から17時までで、休館日は月曜日（祝日・振替休日の場合は翌日）、年末年始（12月29日～1月4日）です。

入館料

入館料は、所蔵作品展と特別企画展で異なります。所蔵作品展は一般200円、高校・大学生100円、小中学生50円です。特別企画展は一般600円、高校・大学生450円、小中学生300円となっています。

収蔵作品例

美術館には、伊原宇三郎の「二人」、前田寛治の「大工」、広島晃甫の「赤装女」といった日本近代美術の代表的な作品に加え、パウル・クレーの「子供と伯母」、ジュール・パスキンの「下着の裸婦」など、海外の近代絵画も収蔵されています。これらを通して、多様な視点から芸術を鑑賞できる環境が提供されています。

徳島を代表する文化拠点

徳島県立近代美術館は、20世紀美術から現代美術まで幅広く網羅したコレクションと、充実した展示空間、そしてアクセスしやすい立地を備えた、徳島を代表する文化拠点です。郷土の美術を愛で、現代美術に触れ、そして芸術を通して豊かな時間を過ごせる場所として、多くの人々に親しまれています。

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