必殺仕掛人

必殺仕掛人

『必殺仕掛人』は1972年から1973年まで放送された革新的な時代劇で、全33話のエピソードから成ります。この作品は朝日放送と松竹が共同制作し、TBSテレビで放映されました。主演には林与一と緒形拳が起用され、話題となったようです。シリーズの第1作としての特異性により、後の『必殺シリーズ』へとつながる重要な作品となりました。

あらすじ

本作は、音羽屋半右衛門という男が元締めとなり、浪人の西村左内と鍼医者藤枝梅安を中心に構成される仕掛人のグループが悪人を抹殺する物語です。彼らは金銭の対価として依頼を受け、恨みを晴らすために悪党に立ち向かいます。池波正太郎の連作小説を原案とし、放送中にその内容が進化していく様子が視聴者の関心を惹きました。

製作の背景

制作に至る経緯には、当時波に乗っていた『木枯し紋次郎』に対抗するという意図がありました。つまり、時代劇の常識を覆し、「金をもらって人を殺す人物」を主人公に据えたのです。これにより、視聴者には新鮮に映り、シリーズの人気を確立しました。

製作チームは松竹を選び、さらには現代劇の要素を取り入れた新時代劇を目指しました。深作欣二監督が参加し、独特な撮影手法やスタイルを確立。陰影を強調した画作りは、以降の必殺シリーズでも重要な要素となり、ドラマの中に劇的な効果をもたらしました。

評価と影響

放送開始以来、この作品は予想を超える人気を博し、高視聴率を記録しました。土曜22時枠の安心感を確立し、その後のシリーズにおける基盤を築いていきました。作品終了後には3本の映画が制作され、シリーズとしての地位を不動のものとしました。

登場人物

藤枝梅安

演 - 緒形拳
彼は腕が立つ鍼医者でありながら、実際には仕掛人としての顔も持つ男です。社会の裏側を知り、善悪に関する深い知識を持っています。

西村左内

演 - 林与一
妻子を持つ浪人で、真面目な性格。仕掛人としての生業を持ちながらも、家族を優先に考え、情に厚い人物です。

音羽屋半右衛門

演 - 山村聡
彼は仕掛人の元締めで、表向きは口入屋を営んでいます。面倒見の良い性格が多くの人から信頼を寄せられています。彼の手法は物語の中心的な役割を果たします。

音楽と主題歌

音楽は平尾昌晃が担当し、特に主題歌『荒野の果てに』はシリーズの象徴的なテーマとして親しまれています。フォーク調のスタイルが視覚と聴覚の両方において作品の世界観を強化しています。

結論

『必殺仕掛人』は、その革新的な設定やキャラクターの魅力、映像美により、時代劇の枠を広げた作品です。これが後の『必殺シリーズ』に多大な影響を与え、日本のテレビドラマ史に名を残す作品となったことは間違いありません。

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