志摩半島

志摩半島について

志摩半島（しまはんとう）は、三重県の中東部に位置する美しい半島で、北は伊勢湾、東は遠州灘、南は熊野灘に面しています。この半島には度会郡・伊勢市・鳥羽市・志摩市が含まれ、大部分が伊勢志摩国立公園に指定されており、自然環境の保護が行われています。特に志摩市の大王町から志摩町にかけては、英虞湾を囲む「さきしま半島」として知られています。

地形の特徴

志摩半島の地形は北から南にかけて大きく三つの地域に分けられます。最北部の伊勢平野南端、中央部の朝熊山地、そして南部の先志摩台地です。伊勢平野と朝熊山地は中央構造線を境にし、朝熊山地と先志摩台地は昔の海岸線を基に分けられています。

先志摩台地は日本で最大の隆起海食台地であり、その台地は海抜30mから50m程度で、水利が悪いため主に畑作が行われています。山地と台地の変化に富んだ地形が、自然の多様性に寄与しています。

複雑な沿岸部

志摩半島の沿岸部は、多くの小さな島々や岬、入り江（溺れ谷）が点在するリアス海岸の地形で知られています。これは、隆起した台地が河川によって侵食されて谷が形成され、その後海に沈降した結果によるものです。英虞湾側の海岸では水産業が盛んで、特にノリ、カキ、真珠やアオサの養殖が行われています。これにより、地域経済は活性化しています。

海岸線の複雑さから、江戸時代の地図制作に携わった伊能忠敬も、測量に非常に苦労したと言われています。志摩半島の大部分は伊勢志摩国立公園に指定されており、自然の美しさが保たれています。

海岸線と海底地形

志摩半島から伸びる海底地形は比較的緩やかで、特に2002年からは世界最大の海底光ケーブルの陸揚げ地としても知られています。これにより、地域のインフラが整備され、通信技術の発展にも寄与しています。

半島内の主な区域

志摩半島の中で特に「半島」と呼ばれている地域には、以下のような場所があります。

• - 小浜半島（鳥羽市）: 鳥羽港の西側。
• - 安楽島（あらしま）半島（鳥羽市）: 鳥羽港の南側。
• - 大崎半島（志摩市）: 英虞湾に接し、一部がNEMU RESORTとして利用されています。
• - さきしま半島（志摩市）: 英虞湾の北側、熊野灘の南側に位置し、本土と深谷水道で隔てられています。

その他の情報

志摩半島は文化的にも注目されており、2001年には演歌歌手の鳥羽一郎による曲『志摩半島』もリリースされました。この曲は、志摩市志摩町の先志摩半島に歌碑が建立されるほどの人気を博しています。また、志摩市志摩町には活鮮旅館「志摩半島」という名の料理宿もあります。

このように、志摩半島は地理的、文化的に魅力あふれる場所であり、観光や水産業の発展を支える重要な地域となっています。

もう一度検索