恵林寺

恵林寺の概要

恵林寺は山梨県甲州市塩山小屋敷に位置する寺院で、山号は乾徳山です。臨済宗妙心寺派に属し、特に甲斐武田氏の菩提寺として有名です。恵林寺の存在は、地域の文化と歴史に大きな影響を与えてきました。

歴史のはじまり

恵林寺は鎌倉時代の元徳2年（1330年）に創建されました。この寺院は、甲斐国の守護として知られる二階堂貞藤によって設立され、彼は夢窓疎石を迎えて開山しました。元々は円覚寺派に属しており、当時から重要な寺格を有していました。恵林寺は、甲斐における臨済宗の中心地として発展し、多くの高僧が住持を務めました。

戦国時代の重要性

戦国時代、恵林寺は武田晴信（後の信玄）による再興が行われました。1541年、臨済宗妙心寺派の明叔慶浚が28世住職として招かれ、その後の運営においても指導的な役割を果たしました。信玄の菩提寺としての立場を確立した恵林寺では、多くの法要が行われ、武田家との密接な関係が確立されました。

武田氏滅亡とその後

1582年、織田・徳川連合軍によって武田氏は滅亡し、恵林寺も焼き討ちを受ける事態となりました。この時、住職の快川紹喜は名言を残しながら火中に没したと伝えられています。この後、徳川家康の庇護の下で恵林寺は再建され、寺院は新たな時代へと向かいました。

江戸時代と武田信玄の再評価

江戸時代には武田信玄の供養が盛んに行われ、特に1672年には信玄百回忌の法要が行われました。この際、恵林寺で奉納された信玄供養塔は、武田家に対する崇敬の念を示す重要な文化財となりました。また、柳沢吉保は信玄を崇拝し、彼に関連する数多くの述作物を恵林寺へ奉納しました。

現代の文化財と伽藍

明治38年の火災により多くの堂宇が焼失した中でも、恵林寺は桃山様式の四脚門や、夢窓作と言われる庭園など、貴重な文化財を保持しています。重要文化財には、恵林寺四脚門や武田不動尊の像、江戸時代の武田信玄の肖像画などが含まれており、これらは地域文化の重要な一部です。

アクセスと拝観情報

恵林寺にはJR中央本線塩山駅から市民バスでアクセスできます。拝観時間は8:30から16:30までで、有料となっています。信玄公宝物館は別料金が必要です。

恵林寺はその美しい建築と深い歴史を持つ、訪れる価値のある場所です。地域の歴史を学ぶ上でも、貴重な体験となることでしょう。

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