手指消毒剤

手指消毒剤（ハンドサニタイザー）

手指消毒剤は、手に付着している病原体を減らす目的で使用される液体です。医療機関では、多くの状況においてアルコールを含有するタイプの消毒剤が、石鹸と水を使った手洗いよりも推奨されています。これは、一般的にアルコール消毒剤の方が微生物を殺菌する効果が高く、手洗いよりも肌への刺激が少ないためです。

ただし、目に見える汚れがある場合や、トイレを使用した後は、石鹸と水による手洗いが推奨されます。アルコールを含有しないタイプの消毒剤は、一般的な使用は推奨されていません。医療施設以外では、手洗いよりも手指消毒剤の使用を支持する根拠は弱いとされています。

手指消毒剤には、液体、ゲル状、泡状といった様々なタイプがあります。

成分

アルコール含有の消毒剤は、通常、イソプロピルアルコール、エタノール（エチルアルコール）、n-プロパノールといったアルコール成分を単独または組み合わせて含んでいます。しかし、人体に有害なメタノール（メチルアルコール）を含む製品も存在し、中毒事故の原因となっています。消毒効果が最も高いのは、60〜95%のアルコール濃度を持つものです。アルコールは可燃性があるため、取り扱いには注意が必要です。

アルコールは様々な微生物に対して効果を発揮しますが、胞子に対する効果は限定的です。製品によっては、皮膚の乾燥を防ぐためにグリセロールなどの保湿成分が含まれていることがあります。アルコールを含まない製品には、塩化ベンザルコニウムやトリクロサンが使用されている場合があります。

歴史

アルコールが消毒剤として使用され始めたのは1363年とされています。1800年代後半にはその効果が証明され、広く使用が推奨されるようになりました。1980年代以降、アルコール含有の手指消毒剤はヨーロッパで一般的に使用されるようになり、現在では医療現場で必要不可欠な医薬品として、世界保健機関（WHO）の必須医薬品リストにも掲載されています。

発展途上国における卸売価格は、1リットルボトル1本あたり約1.40〜3.70米ドルです。

注意点

アルコール濃度を確認し、適切なものを使用する。
可燃性があるため、火気の近くでの使用や保管は避ける。
手指消毒剤を使用する際は、十分な量を手に取り、全体にいきわたるようになじませる。
傷や炎症がある場合は使用を避ける。

関連項目

* 消毒液スタンド)

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