扶桑型戦艦

扶桑型戦艦について

扶桑型戦艦は、日本の大日本帝国海軍に属する戦艦であり、金剛型巡洋[[戦艦]]と並行して計画された日本初の純国産の超弩級[[戦艦]]です。この艦型は扶桑と山城の2隻が建造され、後の戦艦設計に多大な影響を与えました。以下に扶桑型戦艦の建造経緯を詳述します。

建造の経緯

扶桑型戦艦の建造が決定されるまでには多くの経緯があります。元々、扶桑型の建造は1911年に成立した新充実計画によって決定され、1912年に扶桑が起工されました。しかし山城については、建造の決定が遅れたため、1914年には予算が追加され、戦艦3隻の建造が本格的に開始されました。

基本設計の変更

扶桑型戦艦の設計には多くの案が検討されましたが、最終的な案では排水量を30,600トン、速力を22.5ノットに設定しました。この設計では、防御は水線主甲帯305mm、バーベット部228mmとされており、非常に強固なものでした。また、主砲配置も大きく変わり、最終的には14インチ連装砲が6基装備されることが決まり、これにより火力が大幅に向上しました。

艦形と設計上の相違

扶桑型は教訓を受けて設計されており、当時の最新鋭の設計を取り入れ、艦体形状は凌波性に優れたクリッパー型となっていますが、操艦にはいくつかの難点がありました。特に山城は扶桑からの設計の改善を試みており、司令塔や測距儀の配置も変更され、防御力も強化されました。改良点々は見られますが、扶桑型全体の操縦難易度は高いものとされました。

武装と性能

扶桑型戦艦の主砲は金剛型戦艦の36cm連装砲を基にした新開発の36cm砲が搭載され、各主砲塔には砲弾重625kgの14インチ弾を用いて、最大射程は22,500mです。火力としては優れていますが、発射速度や旋回性能に関しては改善の余地もあり、発射時の爆風による影響が射撃精度に影響を及ぼしたことが報告されています。

問題点と防御

扶桑型戦艦は、竣工当初は世界最大の戦艦でしたが、一方で建造後に使用される各種兵器や戦闘方針に対し、問題点も報告されています。特に主砲の爆風、艦橋周辺の装具に対する影響が懸念され、一斉射撃時には爆風の影響で観測困難になることが多く、設計段階での配慮が必要でした。しかし防御性能は295mmの装甲を持ち、岩のような堅固な性質を誇っていました。日本海軍最初の国産戦艦としての地位を占める扶桑型の防御力はその後の戦艦設計にも影響を与えることになります。

機関と運用

本型の機関は石炭と重油の混焼を行い、最大速力は22.5ノット。しかし実際の運用時には約21ノットであったと記録されています。また艦載艇や排煙の問題から艦橋への煙の逆流などが課題として残りました。設計当初は長距離戦闘に特化する構想もありましたが、国際戦略の変化により運用方が困難になることが示唆されています。

近代化改装とその影響

扶桑型戦艦は、1915年の竣工以来、いくつかの近代化改装が行われましたが、防御力や武装の強化が主要なポイントでした。特に主砲の最大仰角を30度から43度に引き上げ、艦橋の設計の更新という形で当時の戦況に柔軟に対応できるようになりました。しかし、各国の戦艦と比較しても防御力や火力に対する見劣りもあったため、戦闘能力の向上には課題が残った画期的な艦でした。

結論

扶桑型戦艦は、日本の海軍において重要な意義を持ち、設計や建造、運用において数々の経験を提供しました。後の戦艦設計や運用に影響を与えたことは明白であり、その存在は今なお評価されています。これらの要素が相まって、扶桑型戦艦は日本海軍の歴史において重要な一員となったのです。

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