折田至

折田至：特撮ドラマを支えた多才なクリエイター

折田至（おりた いたる）は、1934年1月3日に鹿児島県鹿児島市で生まれ、2006年9月27日に72歳で亡くなった、日本の映画監督、演出家、テレビプロデューサー、そしてUFO研究家、発明家としても知られる多才な人物です。

キャリアの始まりと特撮ヒーローの創出

千葉大学工学部を卒業後、1958年に東映に入社。京都撮影所での助監督時代を経て、東京制作所に異動。1966年のテレビドラマ『丸出だめ夫』で監督デビューを果たします。その後、『悪魔くん』や『仮面ライダー』シリーズといった、数々の特撮テレビドラマの監督として活躍しました。

1978年には東映テレビ事業部プロデューサーに昇進し、『バトルフィーバーJ』からスーパー戦隊シリーズをプロデュース。東映のキャラクター路線の礎を築きました。さらに、『宇宙刑事ギャバン』から始まる東映メタルヒーローシリーズでは、吉川進と共にプロデューサーを歴任し、これらのシリーズを国民的な人気作品へと押し上げました。

監督としても、『超人機メタルダー』や『世界忍者戦ジライヤ』など、多くの作品を手掛けています。

晩年と多岐にわたる活動

東映を定年退職後は、東映アカデミーで講師を務める傍ら、UFO研究家としても活動し、UFO探知機の発明家としても知られていました。1970年代のUFOブームの際には、ワイドショーにも出演し、その研究成果を披露しました。

また、ビデオ撮影・編集スタジオ「アイデア開発研究所」を設立し、地域のプロモーションビデオなどを制作。映像制作の分野でも幅広く活動しました。

人物像とエピソード

折田は、物腰は柔らかいものの、撮影現場では粘り強く、妥協を許さない監督として知られていました。特に『仮面ライダー』の撮影では、納得のいく映像が撮れるまで何度もリテイクを重ねたというエピソードが残っています。その厳しさから周囲に恐れられることもありましたが、主演俳優からは「真面目で紳士的」と評され、プロ意識の高さがうかがえます。

また、『仮面ライダー』では、オープニングとエンディングの全てのバリエーションを担当。これは、フリーの監督に依頼すると特別手当が必要になるため、東映社員であった折田が選ばれたという背景があります。しかし、番組初期には東映社員の監督が折田だけだったため、大映出身のスタッフとは仕事のやり方で苦労したこともありました。

折田至の功績

折田至は、監督、プロデューサーとして数々の特撮ドラマを世に送り出し、日本の特撮文化の発展に大きく貢献しました。その作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。また、UFO研究や発明家としての側面も持ち合わせており、その多才ぶりは多くの人々を魅了しました。

主な参加作品

テレビシリーズ（実写）

丸出だめ夫（1966 - 1967年）監督デビュー作
悪魔くん（1966 - 1967年）
仮面ライダーシリーズ（1971 - 1975年）
スーパー戦隊シリーズ
バトルフィーバーJ（1979 - 1980年）プロデューサー
メタルヒーローシリーズ
宇宙刑事ギャバン（1982 - 1983年）プロデューサー
超人機メタルダー（1987 - 1988年）監督
世界忍者戦ジライヤ（1988 - 1989年）監督
機動刑事ジバン（1989 - 1990年）プロデューサー
ブルースワット（1994 - 1995年）監督

テレビシリーズ（アニメ）

宇宙大帝ゴッドシグマ（1980 - 1981年）プロデューサー
百獣王ゴライオン（1981 - 1982年）プロデューサー
ビデオ戦士レザリオン（1984 - 1985年）プロデューサー

映画

五人ライダー対キングダーク（1974年）監督

ビデオ

大予言 復活の巨神（1992年）製作

折田至の作品は、今もなお多くの人々に愛され、その功績は特撮史に深く刻まれています。

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