抱樸

特定非営利活動法人 抱樸（ほうぼく）

特定非営利活動法人抱樸は、北九州でのホームレス支援を主な目的として活動している非営利団体です。この団体は1988年に、地域のプロテスタント教会や福岡日雇労働組合のメンバーによる調査活動から発展し、野宿者への炊き出しを開始することで、支援活動がスタートしました。当初は「北九州越冬実行委員会」という組織名で活動していましたが、その後、2000年にNPO法人として認証を受け「北九州ホームレス支援機構」と改名。さらに2004年には国税庁から認定NPO法人としても認証を受けましたが、過去に自立していた人々が再びホームレスになる事例が増加したことから、支援体制が見直され、2014年には法人名を現在の「抱樸」に変更し、活動内容をより広範囲に展開しました。

ハウスレスとホームレス

同団体の支援理念には、物理的な困窮と人間関係における困窮を明確に区別する考えがあります。具体的には、物理的な困窮を「ハウスレス」、人間関係における困窮を「ホームレス」と称し、単なる住居の提供だけでは問題解決にはならないとの立場を取っています。日常生活における人間関係の回復を重視し、これを支援するために様々な活動を行っています。この独自のアプローチは、ホームレス支援が少ない地域においても、有効な参考となる可能性があります。

主な活動内容

抱樸では、2003年以降、北九州市や福岡市などの行政と連携し、1600人以上のホームレスに自立支援を行っています。活動は主に以下の三つの部門に分かれています。

1. いのちを守る基礎的支援
炊き出しや夜回り、緊急時の病院への付き添いなど、生命を守るための活動を行っています。
2. 自立支援
就労を促進するための各種プログラムや施設の運営を行い、支援対象の方々が自立した生活を送れるようサポートしています。
3. ホームレスを生まない社会の形成
地域での孤立を防ぐため、アフターケアやボランティアの育成、情報発信や啓発活動を通じて、地域社会全体の意識を高め、支援の輪を広げています。

2016年3月末時点で、185名の正会員、375名の賛助会員、99名の有給スタッフ、また約80名の炊き出しやパトロールボランティアが活動しており、大規模な支援体制を構築しています。

希望のまちプロジェクト

抱樸は、「希望のまちプロジェクト」として、北九州市に複合型社会福祉施設を建設し、地域でのさまざまな機能を集約した拠点の設立を目指しています。これにより地域の人々が協力しあい、共生できる社会を実現することを目指しています。プロジェクトは、村木厚子を顧問に迎え、ますます発展させる予定です。

このように、特定非営利活動法人抱樸はホームレス支援において多岐にわたる活動を行い、地域社会の一員としてその機能を拡充しているのです。

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