村木厚子

村木 厚子（むらき あつこ）

村木厚子氏は、高知県出身の日本の労働・厚労官僚であり、1955年12月28日に生まれました。彼女はそのキャリアの中で数々の重要なポジションを務め、特に厚生労働省では4人目の女性局長として認識されています。彼女は、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長や内閣府政策統括官としての役割を果たし、2013年から2015年までは厚生労働事務次官を歴任しました。

経歴

幼少期は人見知りで対人恐怖症の傾向を持ちつつ、読書を好む少女でした。自由な教育方針に惹かれ、土佐中学校・高等学校を卒業後、高知大学文理学部経済学科に進学。1978年に労働省に入省し、労働行政の道を歩み始めました。その後、厚生労働省内では少数派とされる地方国立大学出身の女性として、顕著なキャリアを築いていきました。

村木氏は、官僚としては華々しいキャリアとは言えないものの、真面目な姿勢と調整能力が高く評価され、障害者問題をライフワークとして取り組んできました。2008年には厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長にが就任しました。

冤罪被害

しかし、彼女は2009年に冤罪事件に巻き込まれました。社会・援護局障害保健福祉部の企画課長時に、不正に郵便料金を安くするための偽の障害者団体証明書を発行したとして逮捕されたのです。この事件は、彼女の名誉を著しく傷つけることとなり、佐賀元明副部長らの捜査が行われました。

逮捕後、求められる証拠とは裏腹に、彼女は無罪を主張し続け、その後の保釈後の記者会見では弁護士と共に無罪を訴えました。2010年9月には無罪判決が下され、裁判所はその罪を認めませんでした。

復職

無罪が確定した後も、彼女のキャリアは続きました。復職後は内閣府政策統括官への就任を果たし、多くの社会問題に取り組む姿勢を崩さず、さらには待機児童ゼロ特命チームの事務局長にも任命されました。さらに、法務省の刑事司法制度審議会にも参加し、取り調べの可視化などの重要な課題に携わっています。

退官後とその活動

2015年に厚生労働省を退官後、村木氏は様々な社会福祉関連の組織で活躍。全国社会福祉協議会や全国老人クラブ連合会の会長に就任し、一般社団法人若草プロジェクトの設立となるなど、官僚としての経験を基にした社会貢献活動に尽力しています。さらに、様々な企業でも取締役や顧問職を務め、広範な活動を展開しています。

また、選択的夫婦別姓の導入にも積極的に賛同し、家族の多様性を支持する発言をしています。これまでの経験と活動を通じて、特に社会的弱者への支援に力を入れ、彼女の存在感はこれからも増していくことでしょう。

趣味や著作

個人的な趣味としては、『名探偵コナン』の大ファンであることが知られています。また、冤罪事件に関する真実を記した複数の著書を出版しており、特に「私は負けない」はその痛ましい経験を語った重要な作品とされています。彼女の物語は、ただの官僚としての成功だけでなく、逆境を乗り越えて進む力の象徴とも言えます。

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