掟ポルシェ

掟ポルシェ：多才な表現者、その軌跡と魅力

掟ポルシェ（おきてポルシェ、1968年5月3日 - ）は、日本の音楽シーン、サブカルチャーシーンにおいて異彩を放つ表現者です。ニュー・ウェイヴ・バンド「ロマンポルシェ。」のボーカル、楽器、そして説教担当として知られていますが、その活動は音楽に留まらず、ライター、DJ、俳優、声優と多岐に渡ります。

生い立ちと初期の活動

北海道留萌市で生まれた掟ポルシェは、北海道留萌高等学校を卒業後、上京し立正大学を卒業しました。当初はライターとして活動し、『紙のプロレス』『BUBKA』『TV Bros.』などの雑誌で連載を持つなど、早くからその独特な文才を発揮していました。また、DJ集団・申し訳ナイタズの一員としても活動し、ギュウゾウ（電撃ネットワーク）、宇多丸（ライムスター）らと共に全国を回ってプレイしました。この頃から、彼のエンターテイナーとしての才能が芽生え始めていたと言えるでしょう。

独自の芸風確立とアイドル愛

30代に入ってから、現在の過激でユニークな芸風を確立した掟ポルシェですが、それ以前は宍戸留美の熱狂的なファンでした。また、女子プロレスにも多額の資金を費やし、サラ金から借金を背負うほどだったというエピソードも残っています。長髪に水色のラメメイク、上下白の学ランやスーツ（夏場は褌一丁になることも）といった独特のスタイルも彼のトレードマークです。

2006年からは犬（キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル）を飼い始め、溺愛する日々を送る中で、アイドルへの情熱は落ち着きを見せ始めました。しかし、2012年からは愛犬ニコルと共に「掟ポルシェ with ニコル」としてライブ活動も展開しています。そのジャンルはJUKE/FOOT WORKという、より実験的な音楽性を追求したものとなっています。

テレビ番組での過激な挑戦と騒動

フジテレビのバラエティ番組『くるくるドカン〜新しい波を探して〜』では、「男は橋を使わない!」と宣言し、東海道五十三次を徒歩で移動し、その間にある川を全て泳いで渡るという企画に挑戦しました。しかし、実際には全ての川を泳いで渡っていなかったことがドッキリ企画で判明し、視聴者の笑いを誘いました。この企画をテーマにした楽曲「男は橋を使わない」は、ロマンポルシェ。の3rdシングルとしてリリースされました。

2004年には、イベント「（有）申し訳ナイト」で、ゲストのインリン・オブ・ジョイトイを過激な言葉で紹介したことがきっかけで、セクシャルハラスメントだと批判され、インリン本人から激しい怒りを買いました。その後、掟はインリンの公式サイトで謝罪文を掲載しましたが、現在でも両者の関係は険悪だと言われています。

多様な音楽活動とソロプロジェクト

ロマンポルシェ。としての活動以外にも、掟ポルシェは様々な音楽プロジェクトに関わっています。2014年からは、ひとり打ち込みデスメタルソロプロジェクト「ド・ロドロシテル」を始動し、ライブ活動を行っています。2020年にはBorisのジャパンツアーにオープニングアクトとして帯同するなど、その音楽性の幅広さを見せつけています。また、2015年にはアメリカの音楽フェスSXSWにDJとして出演するなど、活動は国内に留まりません。

近年の活動と人となり

2017年からは、妻の実家がある福岡に拠点を移し、東京との二拠点生活を送っています。妻の実家の書店ではトークイベントを主催するなど、地域に根ざした活動も展開しています。また、妻と藤井フミヤの妻がいとこ同士であるという意外な繋がりも持っています。

掟ポルシェは、かつて「アストロ球団」（後にアストロ・ディスコ・キングに改名）というバンドでボーカル・ギターを担当していました。このバンドはボアダムスの影響を受けており、初期の彼の音楽性を示すものと言えるでしょう。

長年のアイドルファンとしても知られており、ハロー!プロジェクト、特にBerryz工房の菅谷梨沙子のファンであることを公言しています。また、Perfumeをインディーズ時代から評価し、自身の結婚式に招いたというエピソードもあります。バニラビーンズの推薦や、TIFへの出演など、アイドルシーンへの貢献も積極的に行っています。近年では、富士山ご当地アイドル3776を応援しており、その楽曲の良さを広める活動も行っています。凛として時雨のピエール中野とは、アイドルについて語り合う仲間です。

メディア出演と著書

掟ポルシェは、数多くのテレビ番組に出演しています。スペースシャワーTVの『SPACE SHOWER MUSIC UPDATE』ではマペットのMr.オキテの声と番組司会を担当し、フジテレビの『くるくるドカン』の後番組『カワズ君の検索生活』にも出演しました。その他、『アメトーーク!』や『音エモン』など、人気バラエティ番組にも度々登場しています。

俳優、声優としても活動しており、テレビドラマやアニメ、ゲームなど幅広いジャンルでその才能を発揮しています。映画にも多数出演しており、その存在感は確かなものです。

また、『説教番長・どなりつけハンター』や『男道コーチ屋稼業』など、数多くの著書も発表しています。自身のコラムをまとめたものや、ネット連載を単行本化したものなど、その文章表現の才能も高く評価されています。

掟ポルシェは、その多彩な才能と過激なパフォーマンスで、日本のサブカルチャーシーンを牽引する存在です。彼の今後の活動から目が離せません。

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