摠見寺

摠見寺の概要

摠見寺（そうけんじ）は、滋賀県近江八幡市の安土町下豊浦に位置する歴史的な寺院です。この寺院は、臨済宗妙心寺派に属し、山号は遠景山と名付けられています。摠見寺は、安土城跡に佇んでおり、織田信長にゆかりのある場所としても知られています。

歴史的背景

摠見寺は、天正年間に織田信長によって安土山中に建立されました。創建当初は尭照法印が住職を務めていたと言われていますが、正式には信長の死後に住職となった正仲剛可が開山とされています。信長は寺院の成立にあたり、近隣の神社や寺院から多くの建物を移築しました。特に、重要文化財に指定されている二王門や三重塔はその象徴です。

18世紀前半には、仁王門、方丈、書院、庫裡、三重塔、鎮守社を含む22棟の建物が存在していましたが、嘉永7年（1854年）の火災によって主要な建物が焼失しました。その後、徳川家康の邸跡に仮本堂が建設されました。

江戸時代の摠見寺は檀家を持たない独立した寺院であり、227石5斗の寺領を有していました。また、信長の死去に伴い、彼の百回忌や二百回忌など重要な法要が行われ、多くの織田一族の使者が訪れました。

明治維新の影響で寺院は衰退しましたが、一部の修繕資金が内務省から支給されていたことも記録されています。

歴代の住職

最初の住職である正仲が亡くなった後は、その父である玉甫（織田信安）が後を継ぎましたが、しばらく住職が不在となりました。元和3年には、信雄の仲介により龍安寺西源院の住職である寿圭が兼務することになり、以降、摠見寺は臨済宗妙心寺派に所属することとなりました。江戸時代を通じて、住職は主に織田家の一族から選ばれるようになり、新たな住職の選定を巡っては様々な争論がありました。

文化財と重要な建物

摠見寺には、いくつかの文化財が存在します。特に重要なものは以下の通りです。

• - 三重塔: 享徳3年（1454年）に建立され、創建時に近江国甲賀郡の長寿寺から移築されました。
• - 二王門: 元亀2年（1571年）に建立された入母屋造りの楼門で、近隣の柏木神社から移築されました。
• - 木造金剛力士立像: 室町時代の作品。
• - 鉄鐔 永楽銭据文銀象嵌: 織田信長が所持していたと伝えられており、滋賀県立安土城考古博物館に寄託されています。

また、旧裏門も存在し、現超光寺の表門がその一部とされています。

所在地とアクセス

摠見寺は、滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6367に位置しています。最寄りの交通機関は、JR東海道本線の安土駅で、徒歩で約20分、レンタサイクルで約10分、タクシーでは約7分です。

拝観情報

摠見寺の拝観料は、大人700円、小人（小・中・高）200円です。本堂の特別拝観は、日曜・祝日のみに1,200円で開堂しています（雨天時は除く）。

摠見寺は歴史的背景と文化財に恵まれた魅力的な寺院であり、訪れることでその深い歴史を感じることができる貴重なスポットです。

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