摺上川ダム

摺上川ダムの概要

摺上川ダム（すりかみがわダム）は、福島県福島市飯坂町茂庭に位置し、一級河川である阿武隈川水系の摺上川に建設された特定多目的ダムです。このダムは、国土交通省東北地方整備局によって管理されており、主に治水や利水の目的を有しています。特に福島市や二本松市など、福島県中通り北部地域への水供給に貢献しています。

また、摺上川ダムはその規模から見て東北地方の中でも有数の大規模ダムとして知られ、最近完成したダムのひとつでもあります。ダムによって形成された人造湖は、一般公募を経て「茂庭っ湖（もにわっこ）」と名付けられました。

沿革

摺上川ダムの歴史は1966年（昭和41年）に始まります。福島市は将来的な水需要を見越して調査を行い、摺上川の上流部にダムを設置することが適切であると判断しました。1973年（昭和48年）には国による予備調査が実施され、ダム建設候補地として屶振地区が選ばれました。

1982年（昭和57年）には実施計画調査が開始され、1992年（平成4年）には転流工事が始まりました。1994年（平成6年）12月には本体工事も開始され、その後、2002年（平成14年）7月に堤体の盛土が完成しました。試験湛水は2004年（平成16年）2月19日から行われ、最終的には2005年（平成17年）4月にサーチャージ水位に達し、同年9月に完全に完成を見ました。

ダムの目的

このダムの主な目的は、下流域での洪水防止、灌漑水の供給、水道水の供給、さらには併設された東北電力摺上川発電所が提供する水力発電など、多岐にわたります。特に、福島盆地や宮城県岩沼市の洪水防止には重要な役割を果たしています。

障害物や費用による水没の影響を緩和するため、白石川の七ヶ宿ダムや大滝根川の三春ダムと協力して治水対策を講じています。また、ダム湖の周囲は公園として整備されており、緑豊かな環境が形成されています。ここは人里離れた場所にあり、清水源としても重要な役割を担っています。

特筆すべきは、国道399号の付け替え工事を経た茂庭バイパスの整備です。この国道は、日本で最も厳しい交通路の一つとして知られています。

まとめ

摺上川ダムは、地域の治水・利水を担う重要なインフラであり、その存在は福島県内の生活基盤や産業活動に欠かせないものとなっています。完成したダム湖の茂庭っ湖は、観光地としても利用され、地域の活性化に寄与しています。

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