新名古屋ミュージカル劇場

新名古屋ミュージカル劇場：東海地区ミュージカル史に輝く劇場

1999年から2016年まで、愛知県名古屋市中区栄に存在した新名古屋ミュージカル劇場は、東海地方におけるミュージカル文化の発展に大きく貢献した劇場です。劇団四季の常設劇場として、数々の名作ミュージカルの上演を支え、多くの観客を魅了しました。

仮設劇場からの発展と栄への移転

新名古屋ミュージカル劇場の前身は、名古屋市東区東桜にあった仮設の名古屋ミュージカル劇場でした。その後、栄地区の再開発事業の一環として、現在の劇場が建設されました。劇団四季が設計に携わり、ボウリング場跡地を有効活用したこの劇場は、1999年5月15日、盛大なこけら落とし公演でオープンしました。その建築デザインは高く評価され、平成11年度名古屋市都市景観賞を受賞しています。客席数は上演作品によって異なりましたが、約990席を有していました。

多彩なレパートリーと充実した17年間

新名古屋ミュージカル劇場では、劇団四季の代表的な作品をはじめ、幅広いジャンルのミュージカルが上演されました。こけら落とし公演は『ソング&ダンス』でしたが、その後『キャッツ』『オペラ座の怪人』『ライオンキング』といった人気作品から、『ハムレット』『赤毛のアン』『夢から醒めた夢』といった演劇性の高い作品まで、多彩なプログラムが組まれました。これらの公演は、名古屋市民のみならず、近隣県からも多くの観客を集め、地域文化の中核的な役割を担いました。劇場の閉館まで、実に多くの観客が感動的な舞台を目の当たりにしました。

新拠点への移転と閉館

2016年秋、劇団四季は中村区に新たな拠点となる「名古屋四季劇場」の開場を発表しました。これに伴い、新名古屋ミュージカル劇場は2016年8月21日、『オペラ座の怪人』の千秋楽をもって閉館しました。長きにわたって親しまれてきた劇場の閉館は、多くのファンに惜しまれ、名古屋の文化シーンに大きな変化をもたらしました。閉館後の建物は解体され、現在、跡地の一部にはホテルが建設されています。

アクセスと上演作品一覧

新名古屋ミュージカル劇場へのアクセスは良好で、地下鉄伏見駅から徒歩5分という利便性の高さも人気の理由の一つでした。JR名古屋駅、名鉄名古屋駅、近鉄名古屋駅からも徒歩圏内に位置し、公共交通機関でのアクセスが容易でした。バス路線も充実していました。

以下に、新名古屋ミュージカル劇場で上演された主な作品を年別に示します。

1999年: ソング&ダンス、キャッツ
2001年: ハムレット、壁抜け男、ソング&ダンス オーヴァー・ザ・センチュリー、ユタと不思議な仲間たち、ジーザス・クライスト＝スーパースター エルサレムバージョン
2002年: 夢から醒めた夢、ミュージカル異国の丘、クレイジー・フォー・ユー、赤毛のアン、アスペクツ オブ ラブ、人間になりたがった猫、王子とこじき、コンタクト
2003年: アンデルセン、ライオンキング
2006年: コーラスライン、ミュージカル李香蘭、ミュージカル異国の丘、ミュージカル南十字星、鹿鳴館、夢から醒めた夢
2007年: エビータ、ブラックコメディ、アイーダ
2008年: マンマ・ミーア!
2009年: トロイ戦争は起こらないだろう、ジーザス・クライスト＝スーパースター ジャポネスク・バージョン、ソング&ダンス55ステップス、オペラ座の怪人
2011年: 赤毛のアン、人間になりたがった猫、夢から醒めた夢、ウィキッド
2012年: アイーダ 愛に生きた王女
2013年: ユタと不思議な仲間たち、はだかの王様、サウンド・オブ・ミュージック
2014年: 美女と野獣
2015年: マンマ・ミーア!、オペラ座の怪人

新名古屋ミュージカル劇場は、その歴史と公演記録を通じて、名古屋の文化に大きな足跡を残しました。閉館後も、多くの観客の記憶の中に、感動的な舞台の数々が生き続けています。

もう一度検索