新宿東口の猫

新宿東口の猫 - 新たな観光名所

新宿駅の東口近くに位置する「クロス新宿ビジョン」には、注目を集める3Dの巨大な三毛猫が映し出されています。この猫は約8.16メートルの高さと18.96メートルの幅を誇り、総面積150平方メートルを超える日本国内唯一の4K相当で、6mmピッチの大型ビジョンでの放映です。湾曲したディスプレイを用いて、錯視効果によって立体的に見えるよう工夫されています。コロナ禍以前には存在しなかったこの屋外広告は、新たな観光スポットとして多くの人々を引き付けています。

この作品を手掛けたのは、オムニバス・ジャパンの山本信一氏。彼は、猫をモデルとするこのプロジェクトを企画しました。モデルとなった三毛猫「ナツコ」は、フリーランス作家の佐竹茉莉子氏が飼っていた猫で、実際には23歳まで長生きした生粋の猫です。佐竹氏は、ナツコの気性を「わが道を行く気性の激しい猫」と表現し、その個性がこのキャラクターに色濃く反映されています。

2021年に新宿駅の東口を出るとすぐ、街頭ビジョンに映し出された猫の映像は瞬く間にSNSで話題に。特に「リアルに動く巨大な猫」の様子が多くの人々の心を捉え、国内外から注目を集めました。この街頭ビジョンの運営は、株式会社クロススペースが行い、「クロス新宿ビジョン」はマイクロアドデジタルサイネージとユニカの共同運営によるものです。

「クロス新宿ビル」の名称の由来は、再開発を経て地上で南北・東西の歩行者動線が交差する場所となったことから名付けられました。既存の長方形の画面とは異なり、湾曲した形状を持つこのビジョンは、目を引く立体的な映像を放映することができる設計となっています。この新しいビジョンの設置を受けて、新宿全体が観光名所としての新たな顔を持つことになります。

また、日本国内では既に韓国や中国で話題となった3Dコンテンツに基づいて、クロス新宿ビジョンでもバズを狙い、企画段階から独自のコンテンツを制作。猫の映像が採用された経緯には、山本氏の強い思いがあります。彼は猫が新宿駅前の「待ち合わせのシンボル」になることを望み、提案された多くのアイデアの中で猫の描写に強く惹かれたと言われています。

猫の映像は、「新宿クリエイターズ・フェスタ」に参加していたオムニバス・ジャパンによって手がけられ、制作チームにはCG映画で最優秀視覚効果賞を受賞した経歴を持つ青山寛和氏も加わりました。このチームは猫の動作や表情を観察し、本物の猫に近づけるために日々努力した成果が、観客を魅了するリアルな動きにつながりました。

観客やファンからの反響は、最初の予想を大きく上回るもので、やがて様々なメディアで取り上げられるようになりました。特に、放映時間をSNSで告知するなどして、多くの来場者が集まることを目指しました。今後も新たな猫の映像などが公開される予定で、さらに多くの人々に愛されるコンテンツとして成長することが期待されています。

この巨大な三毛猫は、新宿の街のランドマークとして、訪れる人々に親しみをもたらし、長年にわたり愛されることを目指して制作されました。その背景には、猫への愛情と巧みな技術が融合しています。

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