旋回砲
旋回砲（スイヴェルガン）について
旋回砲は、近世において使用された小口径の前装砲であり、英語では「Swivel gun」と呼ばれています。この砲は、弾頭の重さが半ポンド（約230グラム）程度で、帆走軍艦の艦砲の一種として広く利用されていました。
概要
旋回砲は、一人の兵士によって扱える設計がなされており、主に大型のハンドキャノンやファルコネット砲級の小口径砲を含みます。この砲の特徴は、上下左右に動かすことができる旋回砲架を備えている点です。砲尾には操作用の支持架が取り付けられ、砲が安定しやすい構造になっています。
このような小口径のため、旋回砲は補助火砲としての位置づけがされており、カロネード砲のように主砲として数えられることはありません。しかし、初期の段階ではエスメリール砲（詩歌砲）など、フランキ砲式の後装式小型砲も存在していました。旋回砲の標準的なサイズは、砲身の長さが約1メートル、重さが約70キロ、口径が半ポンド（4.5センチメートル）程度であり、取り扱いが比較的容易です。
配置と使用
旋回砲は、主に対艦戦闘に用いられることもありますが、その射程は短く、破壊力も限定的です。そのため、近接戦闘において対人攻撃用として使用されることが多いです。具体的には、ぶどう弾やキャニスター弾を使用して、大型の散弾銃のような効果を発揮します。
一般的には、上甲板の舷側にあるブルワーク（胸壁）の上に設置されますが、時にはマストトップからの狙撃用としても活用されることがあります。この軽量でコンパクトな特性を活かして、上陸時には艦載艇の艇首に設置され、陸戦隊の支援に役立てられることが多いです。旋回砲はそのまま陸戦用に転用される場合もあり、非常に柔軟な運用が可能です。
まとめ
旋回砲は、近世の海軍における重要な火器の一つであり、その特性から特に近接戦闘や陸戦隊の支援に重宝されました。小口径にもかかわらず、その機動性と扱いやすさから、多くの場面で活用されていたことが伺えます。また、旋回砲はその後の大砲の発展に影響を与える存在であり、多様なタイプの火器がその設計理念を受け継いでいると言えるでしょう。
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