フランキ砲

フランキ砲とは



フランキ砲(フランキほう)は、16世紀に誕生した後装砲の一種で、「フランキ」とも呼ばれています。日本においてはこの砲が最初に伝来した大砲とされており、特に大友宗麟の使用が知られるものの、実際には特定の名称ではなく、砲の種類を指します。このフランキの語源は、フランク人を示すもので、カロリング朝時代に再生された西ローマ帝国の後継国家を指す元々の用語から転じて、特に16世紀のポルトガル人やスペイン人を含むイベリア諸国を指すようになりました。

構造と特徴



フランキ砲の構造は、現代の後装砲と異なり、砲尾が開閉するのではなく、砲尾上面が広く開口し、砲弾と発射薬を収納した弾倉を挿入します。この弾倉は、砲尾側面から木製のペグで固定される特徴があります。この技術的な設計によって、大口径砲は製造しづらく、小型の旋回砲としての利用が主流となりました。

フランキ砲は、あらかじめ複数の装填筒を用意することで、前装砲よりも高い発射速度を可能にしましたが、その一方で、密閉性が完全ではなく、ガス漏れによって威力が低下し、事故が多発するという問題も抱えていました。こうした理由により、西欧では16世紀末には廃れましたが、アジアではその後も比較的長く使用されました。多くのフランキ砲は青銅鋳造の滑腔砲ですが、初期のものは鍛造された鉄製のものも存在しました。

日本への伝来



フランキ砲が日本に初めて伝わったのは1576年天正4年)です。この年、キリシタン大名である大友宗麟がポルトガルの宣教師たちから火縄銃や硝石と一緒にフランキ砲を輸入したとされ、これが日本の大砲の始まりとされています。輸入されたフランキ砲は、インドのゴアで造られ、本来は艦砲として設計されたものでした。

大友氏が受け取ったフランキ砲は2門(あるいは10門とも言われる)で、その強力な攻撃力から「国崩し」という名が付けられました。この名称は、敵国を打ち破る能力を示すものでしたが、一部の武士たちは反対し、この砲が自国を崩すことにもつながるのではないかと懸念しました。実際、その後大友氏は島津氏に攻められ多くの困難を経験しましたが、臼杵城においてこのフランキ砲はその威力を発揮し、敵軍を退ける助けともなったのです。

現状



現在、フランキ砲の実物は靖国神社の運営する遊就館で見ることができます。治初頭に行われた廃藩置県時に国に献上され、現在も保存されています。口径は9cm、全長290cmであり、また臼杵公園や大分市歴史資料館には複製も展示されています。さらに、文化露寇においてロシアに略奪された1門はクンストカメラに展示されており、これは大友宗麟が使用した「国崩し」とされています。

脚注



注釈


  • - 関連項目には、石火矢や大筒、焙烙火矢、旋回砲などがあります。
  • - 具体的には、戦国戸次氏年表の「国崩し伝来記」や、日本前装銃射撃連盟に関するリンクがあります。

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