日本メジフィジックス

日本メジフィジックス株式会社について

日本メジフィジックス株式会社（Nihon Medi-Physics Co., Ltd.）は、東京都江東区に本社を構える、住友化学とGEヘルスケアの合弁による製薬企業です。日本国内においては放射性医薬品の主要メーカーとして知られており、特に核医学分野での製品開発に力を入れています。2025年3月31日には、住友化学が保有する全株式がGEヘルスケアに譲渡され、同社はGEヘルスケアの完全子会社となる見込みです。

主な製品

日本メジフィジックスは、国内の民間企業として初めてサイクロトロンを自社で保有し、医療用の放射性医薬品、特にポジトロン断層法（PET診断）に使用される医薬品の研究、開発、製造、販売を行っています。2005年に国内初となるPET診断用薬剤を市場に投入し、その後も数多くの重要な製品を生み出しています。2010年にはドイツのHeyl社が製造した放射性セシウム除去剤「ラディオガルダーゼ」の販売承認を取得し、2011年の東日本大震災の際には被災地への無償提供を行いました。この薬剤は、2012年にタリウム中毒の治療にも使用できるようになりました。

沿革

同社は1973年に、メジフィジックス社と住友化学、住友商事の合弁により設立されました。1974年には宝塚工場が竣工し、1983年には千葉工場、1990年には兵庫工場が完成しました。その後、1991年には創薬研究所も設立され、企業の発展が続きました。1994年には日本ロシュが出資から撤退し、イギリスのアマシャム社が参加しました。2004年にはGEグループがアマシャムを買収し、以降、住友化学とGEヘルスケアの二社の出資による運営が続いています。

主要な拠点

本社は東京都江東区新砂に位置し、関西事務所は兵庫県尼崎市に、創薬研究所と千葉生産部は千葉県袖ケ浦市に、兵庫生産部は兵庫県三田市にあります。各拠点は、製薬業務の効率化や研究開発を支える重要な役割を果たしています。

不祥事

しかし、同社は過去に不祥事も経験しています。2018年6月、競合の富士フイルムがPET診断用薬剤市場に低価格で参入した際、同社は富士フイルムに対抗するための圧力を投与装置メーカーにかけ、虚偽の情報を流布した疑惑を抱え、公正取引委員会から検査を受けました。この行為は独占禁止法違反として問題視されました。

まとめ

日本メジフィジックスは、放射性医薬品の研究開発において日本の市場で重要な役割を果たしつつも、企業活動においては複数の課題を抱えています。今後の経営方針や市場の動向が注視される中、2025年のGEヘルスケアへの完全子会社化がどのような影響をもたらすのか、業界内外から注目を集めています。

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