日本原子力防護システム

日本原子力防護システム株式会社（JNSS）

日本原子力防護システム株式会社（英称: Japan Nuclear Security System Co., Ltd.、略称: JNSS）は、1977年に設立された警備業者であり、主に原子力発電所と関連施設に対して安全を提供しています。本社は東京都港区に位置し、品質マネジメントシステムであるISO9001を認証取得しています。

主な事業内容

JNSSは、核燃料の輸送警備、発電所における防犯システムの導入と保守、そして警備員による人的警備業務という3つの独立したサービスを展開しています。設立当初は原子力関連施設に重きを置いていましたが、近年ではデータセンターなどの他分野にもサービスを拡大し、多様なニーズに応えているのが特徴です。

核燃料輸送警備業務

JNSSは1978年に核燃料輸送警備業務を開始し、その後、親会社であるセコムと連携し、核燃料製造会社や電力会社から受注した業務を運営しています。特に、都道府県公安委員会が発行する資格を持つ選抜部隊により、高度な警備を実現しています。

防護システムの設置と保守

1980年代初頭からは、原子力発電所への防犯カメラや各種センサーの設置を行い、それらの維持管理を手掛けています。この事業は、福島第一原子力発電所での運用開始からスタートし、次第に全国の発電所へと拡大しています。

人的警備業務

JNSSは警備員「防護隊」を編成し、発電所や関連施設に常駐させることで、施設の安全管理を強化しています。警備業者としての認定を受けた専門家たちが、これらの業務を遂行しています。

自社開発製品

JNSSは、信頼性の高い防護機器やシステムの製造にも力を入れており、各発電所に納入しています。公式な発表によると、国内のすべての原子力発電所の中で、およそ80％のシェアを持つとされています。

• - セキュリティ・ロボゲート: IDカードリーダーを使用して個人認証を行いながら、同時通行や物品の出入を制限するゲート型出入管理装置です。

• - リアル・フェース: ドイツの技術を応用し開発された顔認証装置で、高い精度を持つことが評価されています。

これらの製品は、他にもカードリーダー装置やアクセス制御装置などがあり、特許出願も進行中です。

環境への配慮

JNSSは原子力産業の進展と環境保護を重視し、導入するパトロール車には、三菱自動車工業の電気自動車i-MiEVを使用しています。また、原子力関連の学会に参加しており、業界の発展にも寄与しています。

出資とグループ関係

JNSSはセコム及び東京電力など、複数の企業から出資を受けており、特にセコムが筆頭株主となっています。そのため、JNSSはセコムグループに所属し、東京電力からはグループ企業の一員として認識されています。他にも数社からの人材が出向しており、強固な企業体制を築いています。

JNSSは、専門的な知識と技術を基にした高品質なサービスを通じて、日本の原子力産業の安全と信頼性を支える重要な役割を果たしています。

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