日本熊森協会

日本熊森協会について

一般[[財団法人]]日本熊森協会は、クマをシンボルとして、奥山水源の森の保全と再生を目指す全国規模の自然保護団体です。単にクマの保護を目的とするのではなく、クマが生息できる豊かな森を守り、人間と動物が共生できる環境を次世代に引き継ぐことを理念としています。兵庫県西宮市に本部を置いています。

歴史

1992年、兵庫県の中学生たちがツキノワグマの保護を訴えたことから活動が始まりました。生徒たちは知事への直訴や天皇皇后両陛下への手紙を通じて、保護の必要性を訴えました。その結果、1994年には兵庫県でツキノワグマの狩猟が禁止されました。

1997年には、中学校教師であった森山まり子が元生徒とともに日本熊森協会を設立。2000年代に入ると、地球環境基金からの助成を受け、2002年には西宮市に事務所を設置しました。

2004年には、クマの出没が社会問題化し、熊森協会の「どんぐり運び」が注目を集めました。その後も会員数は増加し、2007年には1万人、2008年には2万人を突破。2008年には社団法人倫理研究所から地球倫理推進賞を受賞しています。

2010年には、日本奥山保全・復元学会を設立し、民主党農林水産議員政策研究会で森山会長が基調講演を行いました。同年、超党派の国会議員による奥山水源の森 保全・再生議員連盟が設立され、会長が設立総会に招かれました。2012年には、日本奥山保全・復元学会が閉会し、日本奥山学会が設立されました。

2012年以降は、秋田八幡平クマ牧場に対するクマ基金の設立や、岐阜県での森林回復事業への採択、札幌市へのヒグマ対策提言など、活動の幅を広げています。

組織と活動

日本熊森協会の会長は森山まり子氏です。NPO法人奥山保全トラストや公益財団法人奥山保全トラストと連携し、奥山の保全活動を推進しています。全国に20以上の支部を持ち、地域に根ざした活動を展開しています。

主な活動内容は以下の通りです。

野生動物保護活動: クマの保護活動、シカ問題への取り組み、外来動物の生命尊重などを推進しています。
奥山の保全・再生・復元: 奥山保全トラストによるナショナルトラスト運動、スギ・ヒノキ植林からの広葉樹林の復元、広葉樹植樹地を水源林とした農薬・化学肥料を使わない農業の実践などを行っています。
広報活動: 環境教育、原生林ツアー、出版物・広報紙の発行、講演などを通じて、自然保護の重要性を啓発しています。
政策提言: ウェブサイトにおける意見表明、自治体の自然保護に関する検討会・審議会委員を務める、パブリックコメントの提出、国会議員・自治体の長へのロビー活動などを展開しています。

理念

日本熊森協会は、以下の理念を掲げています。

自然とは人間が手をつけていないものであり、自然保護とは手付かずで残すことである。
バランスが崩れた自然を元に戻すには、自然の力に任せるのが最良かつ唯一の方法である。
* 戦後の開発や拡大造林により奥山は人工林に転換され、その後の林業不振により放置された人工林は、生物に乏しく土壌が流出し保水力もない森と化している。

これらの理念に基づき、日本熊森協会はクマをはじめとする野生動物と、その生息地である奥山の森を守るために、様々な活動を展開しています。

ドングリ運び

人里へのツキノワグマの出没が社会問題となった際、協会は都市部の公園からドングリを集めて山に運ぶ「ドングリ運び」を行いました。これは、クマの食料不足を解消し、人里への出没を防ぐための緊急避難的な措置として行われました。しかし、生態系への影響を懸念する声も上がっています。

今後の展望

日本熊森協会は、これからもクマと人間が共生できる豊かな森を守るために、様々な活動を続けていきます。自然保護に対する理解を深め、次世代に美しい自然を引き継ぐために、彼らの活動は不可欠です。

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