日系人

日系人について

定義

日系人（にっけいじん）とは、海外に移住し、当該国の国籍または永住権を得た日本人及びその子孫を意味します。2023年の時点で、日系人は約400万人存在すると推定されていますが、その約3分の2がラテンアメリカに集中しており、日本には約30万人の日系人が暮らしています。また、日本国外に居住する日本国籍者は「在外[[日本人]]」と呼ばれ、これには約140万人が含まれます。

歴史

古代から近世

日系人のルーツは、1590年頃のフィリピンにおける日本人の存在まで遡ります。その後、1613年には日本を出発した遣欧使節により、メキシコやスペインに滞在した日本人も記録されています。このように早くから日本人の移住や交流は始まっていました。

近代・戦前

明治時代から第二次世界大戦にかけて、日本人の移住が世界中に拡大しました。政府はこの時期、人口の過剰を解消するために海外移民を奨励し、多くの日本人が南北アメリカ、ハワイ、台湾、そして南洋諸島へと渡りました。特にハワイへの移民は1885年から本格化しましたが、大部分は非合法なルートで移住していました。

移民の多くは農業に従事し、ブラジルやペルーなどの国で発展を遂げ、成功を収めた者もいましたが、劣悪な環境や差別で苦しむケースも少なくありませんでした。

戦後の移住

第二次世界大戦後、沖縄県などの戦争の影響を受けた地域から南米への移民が急増しました。日本政府はボリビア、パラグアイ、アルゼンチンなどと移住協定を締結し、約85,000人を受け入れることができました。これにより、多くの日系人が新たな生活を築く機会を得ました。

現代の移民

1970年代以降、海外への憧れが新たな移民を生む要因となりました。特にアメリカやヨーロッパの都市へ向かう小規模な移住が増えました。最近では、外国人との結婚や親族の移住が主な理由とされています.

日本における日系人

日本国内には30万人の日系人が居住しており、1990年の入管法改正によって、日系2世・3世は就労に制限のない在留資格を持つようになりました。この改正により、日系人は日本社会において合法的な労働力として位置付けられています。

日本国籍と日系人

日本の国籍法は1985年に改正され、父母両系血統主義に基づく国籍認定が導入されました。しかし、移住先の国の法律によっては、日系人が多重国籍となることが可能です。これにより、日系人の中には複数の国籍を持つ者も多く存在します。

まとめ

日系人は、日本の歴史の中で多くの国に移り住み、様々な文化を形成してきました。彼らの存在は、母国である日本と移住先の国との橋渡しとなり、国際交流や文化の発展に寄与しています。今後も日系人はその特有のアイデンティティを持ちながら世界中での活躍が期待されます。

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