日興アセットマネジメント

日興アセットマネジメント株式会社は、三井住友信託銀行を親会社とする、日本を代表する資産運用会社の一つです。同社は、投資信託の開発、運用、管理を主な業務としています。かつては日興證券（現SMBC日興証券）の一部でしたが、独立を経て、現在は三井住友トラスト・ホールディングスグループの一員となっています。

グローバルな展開と運用規模

日興アセットマネジメントは、日本国内に本社を置きながら、世界9カ国・地域に拠点を構えるグローバル企業です。2018年3月末時点のデータでは、約23.4兆円もの資産を運用しており、そのうち日本国内の投資信託残高は約17.0兆円と、国内第2位の規模を誇ります。従業員数は841名、うち196名が投資担当者として活躍しています。

同社は、日本国内での強固なビジネス基盤に加え、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどの地域でもビジネスを展開しています。さらに、中国やマレーシアでは、現地の企業とのジョイント・ベンチャーを通じて事業を拡大しています。

国際的な運用拠点

国際的な運用拠点としては、イギリスのエジンバラで国際株式、ロンドンで国際債券、アメリカのニューヨークでテーマ性の高い国際株式、シンガポールでグローバルなマルチアセットやアジア株式・債券、オーストラリアとニュージーランドでそれぞれの株式・債券などを運用しています。これらの拠点を活用し、世界各地の市場動向を捉え、多様な投資機会を提供しています。

ESGへの取り組み

日興アセットマネジメントは、資産運用会社としてESG（環境、社会、ガバナンス）への取り組みに力を入れています。社外取締役が取締役会議長を務めるほか、複数の社外取締役による取締役会、社外委員を中心としたスチュワードシップ＆議決権政策監督委員会などを設け、ガバナンス体制を強化しています。また、すべての投資プロセスにESG評価を組み込むほか、国連責任投資原則（PRI）の採用、国連女性エンパワーメント原則への署名など、ESGに関する国際的なイニシアチブにも積極的に参加しています。

2018年には、ブルームバーグ社と共同で、機関投資家と資産運用会社が共有できるリスク・マネジメント・エコシステムを構築し、普及を推進しています。同社のPRI評価は2017年に最高位のA+を獲得しており、ESGへの取り組みが高く評価されています。

沿革

日興アセットマネジメントの歴史は、1959年12月1日に日興證券投資信託委託株式会社として設立されたことに始まります。この会社は、日興證券から分離独立した投資信託運用専門会社でした。その後、1981年には日興国際投資顧問株式会社が設立され、1999年に両社が合併して、現在の日興アセットマネジメント株式会社が発足しました。

2000年代に入ると、親会社が日興コーディアルグループ、シティグループと変遷し、2009年には住友信託銀行（現三井住友信託銀行）の子会社となりました。2011年には、オーストラリアのティンダル・インベストメント、シンガポールのDBSアセットマネジメントを買収し、海外での事業展開を加速させました。

2015年には、地政学リスクの調査・分析を行う米ユーラシア・グループとの提携、2017年には破壊的イノベーションに特化した米アーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシーへの出資など、事業領域の拡大と専門性の強化に取り組んでいます。

2025年9月1日には、アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社への商号変更が予定されています。これにより、新たなブランドイメージを構築し、さらなる成長を目指す方針です。

まとめ

日興アセットマネジメントは、長年にわたり培ってきた運用ノウハウと、グローバルなネットワークを活かし、国内外の多様な投資ニーズに応えています。また、ESGへの積極的な取り組みを通じて、持続可能な社会の実現にも貢献しています。同社は、日本を代表する資産運用会社として、今後も成長を続けることが期待されています。

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