早乙女玄馬

早乙女玄馬（さおとめげんま）

早乙女玄馬は、高橋留美子による漫画『らんま1/2|らんま1_2』およびその派生作品に登場する架空の人物です。彼は物語の主人公、早乙女乱馬の父親であり、早乙女のどかの夫として描かれています。玄馬は、実戦的な格闘技である『無差別格闘早乙女流』の創始者でもあります。

玄馬の特異な体質

物語内での主要な出来事の一つとして、玄馬は息子の乱馬と共に呪泉郷で修行中に熊猫溺泉に落ちてしまいます。その結果、彼は水をかぶることでパンダに変身する体質を持つことになりました。逆に、湯をかぶると人間の姿に戻ることができます。玄馬はこの特異な体質を何とか治したいと考えていますが、実際にはパンダの姿で過ごすことが多く、言葉を話すことができないため、コミュニケーションには手作りのプラカードを使用しています。

人物像

玄馬は近視で、常に眼鏡をかけているほか、頭に手拭いを巻いていることが特徴です。子供の頃から乱馬を男子として育てるため、男手一つで彼を育てる決心をしました。その際、妻のどかに対して「乱馬が男の中の男に育たなければ、父子揃って切腹する」と誓いました。しかし、彼が修行の旅中に乱馬を娘溺泉に落としてしまい、乱馬は半分女性の体質となってしまいました。この結果、帰国後には切腹を免れるために天道家に居候することになったのです。

また、玄馬は八宝斎のもとで修行しており、天道早雲とは友人関係です。早雲とは、自分の子供を結婚させる契約（許嫁）を交わしていますが、内心では八宝斎に対して快く思っていない様子が見受けられます。

声と存在感

彼の性格は軽率で、しばしば先のことを考えずに約束をしてしまう傾向があります。美味しい食事に目がなく、金銭に対する執着が強いことも彼の特徴です。天道家に居候した後は、自堕落な生活を送ることが多くなり、その結果物語中盤では乱馬にあっけなく敗北してしまいます。心配して独自に修行を積んだり、時には深いアドバイスを送ったりすることもあります。

玄馬は妻のどかとの関係が良好で、新婚旅行では相合傘のいたずら書きを残すなど、愛情深い一面も持っていますが、のどかが乱馬との再会に強く焦点を当てるため、時折嫉妬心を抱くこともあります。

格闘技と技名

玄馬に関するもう一つの注目すべき点は、彼が創始した『無差別格闘早乙女流』です。この流派は、「走・考・攻」という理念のもと、敵を概ね逃げながらも効果的に攻撃するスタイルが特徴です。玄馬の生き方を反映するこの流派は、逃走や土下座さえも技の一部とされることが多く、これにより彼の性格が少し浮き彫りになっています。

おなじみの技には「地獄のゆりかご」や「畳返し」があり、特に前者はパンダが相手を抱きしめて技を行うユニークなものです。

まとめ

早乙女玄馬は、マンガにおいて非常にユニークで複雑なキャラクターです。彼の特異な体質、様々な人間関係、そしてユーモラスな格闘技は、作品を通して多くの読者に愛されています。彼の軽薄な性格と子供への深い愛情は、物語において重要なテーマの一部を成しており、乱馬との関係性が展開される中で、彼自身の成長や葛藤も描かれていると言えるでしょう。

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