春帆楼

春帆楼の歴史と魅力

春帆楼（しゅんぱんろう）は、山口県下関市に位置する割烹旅館で、株式会社春帆楼によって運営されています。この地は、1895年に日清講和談判の場となり、当時の全権、伊藤博文と清国使節の李鴻章が会見して下関条約が締結された歴史的な場所です。春帆楼は、かつての阿弥陀寺の方丈の跡地に立地しており、関門海峡を望む高台に位置します。

当初は、1877年に藤野玄洋によって開院された「月波楼医院」があった場所でしたが、1887年に彼が亡くなった後、未亡人のミチが当時の伊藤博文の命名を受けて旅館兼料亭としての営業を開始しました。1888年に、下関で初めてふぐ（ふく）料理の公許を得た店となり、長い間地元の名物料理を提供する場として親しまれてきました。さらに、この旅館は、日清講和条約が結ばれた場所としても多くの人々に知られています。毎年4月17日、締結記念日には、当時使用された器物が展示され、訪れる人々がその歴史を感じることができます。

春帆楼の変遷

大正時代には、経営者の死により一時的に経営難に直面しますが、地元の名士である林平四郎の支援により、1922年に土地や建物が購入され、その後も運営が継続されました。1945年の空襲で宿泊施設は大きな被害を受けましたが、戦後には地産トーカンが再び運営に着手。2003年に会社更生法の適用を受け、春帆楼は分社化され、2004年にオリックス不動産によって株式が譲渡されました。現在、法人としての本社は東京都に設けられていますが、下関市においても旅館業を継続し、各地で料亭の運営も行っています。

また、昭和天皇や香淳皇后が宿泊したことでも知られており、この場所は歴史だけでなく皇族の利用もあった特別な場所となっています。春帆楼の敷地内には、日清講和記念館や、伊藤博文や陸奥宗光の胸像があるほか、李鴻章が滞在した引接寺への道も整備されています。

現在の店舗展開

現在、春帆楼は複数の店舗を展開しています。

• - 下関春帆楼本店（山口県下関市阿弥陀寺町）
• - 下関春帆楼東京店（東京都千代田区平河町）
• - 下関春帆楼阿倍野店（大阪府大阪市阿倍野区・あべのハルカス近鉄本店タワー館14階）
• - 下関春帆楼日本橋高島屋店（東京都中央区日本橋髙島屋地下一階）
• - 三宜楼茶寮（福岡県北九州市門司区）

また、過去には名古屋店や三田春帆楼などの店舗も存在しました。これらの業態は、日本各地で春帆楼の名を広め、地元の食文化を伝える重要な役割を果たしています。

アクセス方法

春帆楼へのアクセスは、JR下関駅からのサンデン交通バスを利用するのが便利です。バスで約10分、「赤間神宮前」停留所で下車後、徒歩1分で到着します。また、中国自動車道下関ICからは国道9号を経由して約2キロの距離です。

春帆楼は、古き良き日本の文化を感じさせるとともに、美食の場としても根強い人気を誇っています。訪れるすべての人々にとって、特別な体験が待っています。

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