春支度

麻丘めぐみの通算8枚目となるオリジナル・アルバム『春支度』は、1976年1月25日にビクター音楽産業（現：ビクターエンタテインメント）よりリリースされました。規格品番はSJX‐10121です。

このアルバムの最大の特徴は、レコード（LP）の片面、具体的にはB面に、ライブで収録されたミュージカル音源が収められている点にあります。このライブ音源は、1975年10月11日に中野サンプラザで行われたコンサートでのパフォーマンスを収録したものです。ちなみに、この同じコンサートからは、ライブ・アルバム『20歳 麻丘めぐみリサイタル』も制作され、発売されています。

LP盤のA面には、書き下ろしのスタジオ録音曲が6曲収められています。これらの楽曲は、当時の麻丘めぐみの歌唱と等身大の魅力を伝えるものでした。アルバム発売後間もなく、このA面収録曲の中から「卒業」がシングルとしてカットされました。これは1976年2月5日のことで、カップリング曲には同じく本アルバムに収められた「20才」が選ばれています。

長らくLPのみでの入手が可能でしたが、麻丘めぐみの芸能生活50周年を迎えた記念すべき年である2009年、初めてCDとして復刻されました。2009年3月25日に発売されたこのCDは、タイトルを『春支度 +5』とし、オリジナルアルバム収録曲に加えて、ボーナス・トラックが5曲追加収録されています。CD化にあたっては、リマスタリングによる高音質化が施され、LP盤のアートワークを再現した紙ジャケット仕様でリリースされました。

追加されたボーナス・トラックの内訳は、まず3曲が、1976年2月25日にカセットテープのみで発売されていた企画盤『卒業』（規格品番：VCH-1052）に収録されていたカバー曲です。これらの楽曲「「いちご白書」をもう一度」（原曲：バンバン）、「想い出まくら」（原曲：小坂恭子）、「今はもうだれも」（原曲：アリス）は、当時カセットでしか聴くことのできなかった貴重な音源で、今作で初めてCDに収録されました。さらに、「卒業」と「20才」のオリジナル・カラオケ音源もボーナス・トラックとして追加されています。

CD盤では、オリジナルLPのB面最後の曲である「モノ・ミュージカル「白鳥の詩」：白鳥の詩」と、ボーナス・トラック1曲目の「「いちご白書」をもう一度」の間に、約10秒程度の空白時間（ブランク・タイム）が意図的に挿入されており、CDならではの構成上の特徴となっています。

オリジナルLP盤の収録曲は以下の通りです。（全作詞：山川啓介）

Side A

春支度 (作曲・編曲: 穂口雄右)
休日 (作曲: 井上忠夫、編曲: 乾裕樹)
卒業 (作曲: 井上忠夫、編曲: 馬飼野俊一)
早春旅行 (作曲・編曲: 穂口雄右)
20才 (作曲: 井上忠夫、編曲: 乾裕樹)
さよならありがとう (作曲・編曲: 穂口雄右)

Side B（モノ・ミュージカル「白鳥の詩」、全作曲・編曲：八木正生）

私のお城
さよなら弱虫さん
7人の私
ひとりぼっちのウェディング
白鳥の詩

2009年CD盤『春支度 +5』には、上記の11曲に加え、以下のボーナス・トラックが収録されています。

「いちご白書」をもう一度 (作詞・作曲: 荒井由実、編曲: 神保正明)
想い出まくら (作詞・作曲: 小坂恭子、編曲: 神保正明)
今はもうだれも (作詞・作曲: 佐竹俊郎、編曲: 神保正明)
卒業 -オリジナル・カラオケ-
20才 -オリジナル・カラオケ-

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