月刊バーズ

月刊バーズ：波瀾万丈の漫画雑誌史

1986年11月、スコラ・講談社から『コミックバーガー』として創刊された漫画雑誌は、その後『コミックバーズ』と改名、複数の出版社を転々とし、2015年には『月刊バーズ』としてリニューアルされました。2018年8月号をもって休刊するまで、実に30年以上にわたって多くの読者に愛され、漫画史にその名を刻みました。

創刊から休刊まで：幾多の変遷

当初は隔週刊だった『コミックバーガー』は、1988年には発行元がスコラ単独となり、単行本レーベルも変更されました。その後、月刊化を経て1993年に一度休刊。しかし、1996年に『コミックバーズ』として復活を遂げます。

1999年、スコラの経営破綻という危機に見舞われましたが、編集部ごとソニー・マガジンズ（現エムオン・エンタテインメント）に移籍。雑誌名もそのままに復刊し、新たな単行本レーベル「バーズコミックス」も誕生しました。しかし、ソニー・マガジンズのコミック事業撤退により、2001年には再び移籍の必要性に迫られ、幻冬舎コミックスが発行元を引き継ぎました。

2015年には、再びリニューアルを行い『月刊バーズ』として新たなスタートを切りました。無料Webマンガサイト『デンシバーズ』も同時にオープンし、デジタル展開にも積極的に取り組んでいました。しかし、2018年8月号をもって、最終的に休刊を迎えることとなりました。

数々のヒット作とアニメ化作品

『月刊バーズ』は、決してメジャーな雑誌ではありませんでしたが、多くの魅力的な作品を世に送り出しました。冬目景の『羊のうた』、PEACH-PITの『ローゼンメイデン』（のちに『週刊ヤングジャンプ』に移籍）、星野リリィの『おとめ妖怪 ざくろ』、天乃咲哉の『このはな綺譚』など、アニメ化された作品も多数存在します。これらの作品は、雑誌の休刊後も単行本として、またアニメ作品として、多くの人々に親しまれ続けています。

関連Webサイト「comicブースト」

2015年4月30日にオープンしたウェブコミック配信サイト「comicブースト」（旧称：デンシバーズ）は、『月刊バーズ』と関連する作品を数多く掲載していました。『月刊バーズ』に掲載作品が出張掲載されることもありました。2018年には、『デンシバーズ』から『comicブースト』へと改称されました。

多様な連載作品

『月刊バーズ』には多種多様なジャンルの作品が掲載されており、それぞれの時代背景や出版社の特色を反映した作品群となっています。スコラ時代、ソニー・マガジンズ時代、そして幻冬舎コミックス時代と、それぞれの出版社で連載されていた作品群は、その出版社の特色を反映した独特の作風を見せています。

また、休刊・復刊の繰り返しの中で、連載が中断したり終了したりした作品もあれば、新たな雑誌に移籍して連載が継続された作品もあります。

まとめ

『月刊バーズ』は、出版社の合併や経営破綻といった困難を乗り越えながら、長く愛された漫画雑誌でした。その歴史は、日本の漫画業界の激動を反映していると言えるでしょう。休刊となってからも、その作品群は多くの読者に愛され続け、単行本やアニメーションという形で生き続けています。また、関連サイトである「comicブースト」も、多くの読者にとって貴重な存在となっています。

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