朔-saku-

Dir en greyの17枚目のシングルとしてリリースされた「朔-saku-」は、彼らの音楽性の幅広さと深さを改めて感じさせる作品です。

「かすみ」以来の新曲として、「Machiavellism」とタイトル曲である「朔-saku-」の2曲に加え、ライブSE「G.D.S.」が収録されています。これらの楽曲は、発売前のツアー「THE CODE OF VULGAR[ism]」で先行披露され、ファンの間では既に話題となっていました。Shinyaが新しいドラムセットを導入して初めてレコーディングした作品としても注目されています。

1曲目の「Machiavellism」から「朔-saku-」へと続く流れは、メンバーが曲順にこだわり抜いた結果です。どちらかの曲をカップリングとして扱うのではなく、2曲を対等な存在として提示したかったという意図があります。また、「Machiavellism」の激しさから「朔-saku-」の感情的な深さへと雪崩れ込むような構成が、全体の流れをよりドラマチックにしています。

ライブSEである「G.D.S.」の収録は、リミックスを入れるという従来の形式に捉われず、以前から音源化を望む声が多かったことから決定されました。ライブでの熱狂をそのまま閉じ込めたような臨場感が魅力です。

「朔-saku-」のPVは、団地に暮らす家族を題材にした少年犯罪をテーマにしており、その過激な内容が大きな議論を呼びました。残酷さやリアルな描写、演出などが問題視され、PV集「AVERAGE FURY」に収録される際には一部内容が修正される事態となりました。ノーカットバージョンは、インディーズ流通で発売されたPV集「AVERAGE PSYCHO」でのみ視聴可能です。

しかし、その芸術性の高さは評価され、2006年にはMTVの人気番組「ヘッドバンガーズ・ボール」で、視聴者投票によるPV音楽賞(HEADBANGERS BALL PV 2006)のグランプリを日本のロックバンドとして初めて受賞しました。

収録曲について

Machiavellism
Toshiya原曲。Dieのカッティングや薫の新鮮なギター・フレーズが特徴的で、メンバーそれぞれの個性が光る楽曲。Toshiya自身が各メンバーのプレイヤーとしての意識をしながら形にまとめていった。タイトルの由来は、マキャベリの思想とライブでの自身の振る舞いとの共通点から。
朔-saku-
薫原曲。薫がタイトルを命名。2分強と短いながらも、様々な視点から描かれた歌詞が印象的。京の詩集「UNDER THE SUN」にも一部が収録されている。「朔」という言葉には「始まり」という意味が込められている。
* G.D.S.
ライブのオープニングSEとして使用されていた楽曲。タイトルの由来は不明だが、京の叫び声や終盤の生音、そして「蝕紅」へと繋がる展開が聴きどころ。Dir en greyのライブを象徴するSEと言えるでしょう。

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