木下雄介

木下 雄介

木下雄介（きのした ゆうすけ、1993年10月10日 - 2021年8月3日）は、大阪府大阪市平野区出身のプロ野球選手で、投手として活躍しました。彼は右投げ・右打ちのスタイルを持ち、独特の投球フォームとストレート、フォークなどの多彩な球種で知られていました。

経歴

プロ入り前

木下は大阪市立加美中学校でボーイズリーグの加美ウイングスボーイズ（現：大阪加美ボーイズ）に所属。続いて生光学園高等学校に進学しましたが、3年生の時には全国選手権出場を逃し、そこから高校四国選抜チームに加わり、ハワイに遠征しました。大学は駒澤大学に進学するものの、肘の故障に悩まされ、1年で中退。その後、大阪でアルバイトをしつつ、フィットネスジムでトレーナーとして働きました。

四国IL・徳島時代

2015年、木下は四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに練習生として入団し、その後、支配下選手契約を結ぶと、シーズンでは15試合に登板。その後、2016年にはリリーフとしての経験を重ね、防御率3.45を記録しました。2016年のプロ野球ドラフトでは中日ドラゴンズから育成選手として指名を受け、契約が成立しました。

中日時代

2017年の初年度にはファームで22試合に登板し、次第に頭角を現します。2018年には正式に支配下登録され、公式戦デビューを果たしましたが、シーズンを通じての出場は限られました。また、2020年には初のセーブを挙げ、大きな期待を寄せられるようになりました。

2021年シーズンの開幕前、練習中に右肩を脱臼し、その後の手術を経てリハビリに挑むことになりますが、7月に突然の体調不良で倒れ、一命を取り留めることはできませんでした。これはプロ野球界において非常に衝撃的な出来事であり、多くのファンや仲間から惜しまれました。

彼の死因は心筋炎とされ、プロ野球選手としての未練を残した結果として、彼の背番号98は準永久欠番として扱われることになりました。チームメイトや球団関係者による追悼の意も示され、多くの試合で彼の名が語られるようになっています。

選手としての特徴

木下選手は、最速150km/hを超えるストレートと、落差の大きいフォークボール、スプリットを武器にしていました。その投球スタイルは多くの専門家に評価され、特に、彼のストレートは浮き上がるような軌道が特徴でした。彼の投球フォームは、藤川球児選手からも注目を集めるほどのものでした。

人物

木下は、家族やチームメイトとの関係を重視し、特に兄貴分として後輩を支える存在でした。彼の強固なチームスピリットと努力は、多くの人々に愛されました。特に、亡くなる前にオリンピックを迎えた大野雄大選手との絆は深く、金メダルを掲げた際には木下の存在が思い起こされました。

彼の早すぎる死は、野球界のみならず、多くの人々にとっての喪失となり、その思い出は決して忘れられることはないでしょう。

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