本門佛立宗

本門佛立宗について

本門佛立宗（ほんもんぶつりゅうしゅう）は、法華系仏教の一派で、久遠本仏釈尊が教えた真実法華経・本門八品を基にしています。宗教的な祖は久遠本仏釈尊であり、日蓮がその後身とされています。日蓮は八品門流の祖であり、教義を発展させた慶林坊日隆や長松清風によって現在の形に整えられました。主な拠点は京都府の宥清寺です。

教義と修行内容

本門佛立宗の主要な修行内容は、法華経の教えに基づく「本門八品所顕上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経」を唱え、それを他者に教えることです。宗名は、日蓮が『法華初心成佛鈔』の中で法華経を基に命名したことに由来しています。宗教学者は本門佛立宗を新宗教に分類することもありますが、これは長松清風が在家での法要を初めて行った日を設立日と解釈していることに関わっています。

「本門佛立宗宗綱第二条」には、1253年（建長5年）に日蓮が久遠本仏の教えを広めたと記されています。その後、日隆がその教えを発揚し、法華経本門八品の教えを明確にしました。1858年（安政4年）には日扇が本門佛立講を設立し、宗教としての体制を強化しました。これにより、僧俗一体の信心が確立され、活動が活発となりました。

長松清風の教え

1857年に長松清風（日扇）が居宅で講席を開いたことが本門佛立講の始まりとされます。その後、彼は宥清寺を拠点に運営し、僧形と俗形の差異を重視せず、在家主義の理念を持ち続けました。清風は1868年に本能寺で再出家しましたが、その後も在家信者向けの講を続け、法の普及に努めました。彼の教えは現在も受け継がれており、僧俗一体の信行スタイルを強く意識しています。

歴史的背景

本門佛立宗の成立は1857年にさかのぼり、その後多くの寺院が設立されていきました。1947年には本門法華宗から独立し、正式に本門佛立宗としての地位を確立しました。主な寺院としては宥清寺の他、誕生寺、大津市の佛立寺、長松寺、守口市の義天寺が存在します。また、国内外に373ヶ寺の寺院や教会があります。

教義の特徴

本門佛立宗では、他宗教に対して折伏を行い、信者には教えを通じて純粋な信仰を求めます。入信の際には他宗の本尊を焚き上げることも行われ、正しい信仰の証を示す現証利益が強調されています。これによって他檀家からの入信者も増加し、その結果として法難なども発生しました。

御教歌と文化への影響

長松清風は、誰にでも分かりやすく仏教の教えを広めるために御教歌と呼ばれる和歌を作成しました。彼はまた、文化人としても広く評価されており、明治天皇からも彼の歌が賞賛された逸話があります。これにより、本門佛立宗の教えは、仏教をより身近で理解しやすくし、後世に影響を与えました。

本門佛立宗は、現在も信者とともに歩む宗教団体として、その教えを受け継ぎ、弘めていく努力を続けています。

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